浄瑠璃のあらすじ
外題「楓狩妹背御鏡 山賊退治之段」
盗まれた神器の御鏡を探索せよとの命を受けた坂上惟茂が信州戸隠山の頂が金色の光を放つことからこの地に紅葉狩りの装束でやってくる.
すると,そこを根城とする盗賊轟軍太が襲いかかるが突然鬼女が現れ大立ち回りになる.が,軍太はかなわぬと見て退散する.
実はこの女惟茂を慕って都から追いかけてきた娘で盗賊から鏡を奪い岩の隙間に隠し,鬼女に扮してこの鏡を守っていたことを惟茂に語り伝える.
その話を立ち聞きしていた軍太が再び現れて鏡を奪おうとするが惟茂の弓で倒される.
その時,岩が崩れ鏡が現れる.娘は姿を消し鶴に変身する.惟茂は鏡を手に都に帰る.そして惟茂も日の出に変身してめでたく物語が終わる.
外題『田村川神亀の釣竿 源義経日之出車 源氏烏帽子折之段』
保元平治の乱に破れ,都を落ち延びる源義経と,義経を恋い慕って後を追ってきた烏帽子屋五郎太夫の娘東雲が田村川の岸辺で出会う.しかし義経は女連れでは目立つし,後日平家を討伐する戦を起こさなければならないので,東雲に都に帰って時節を待てと説く.
そのとき,追っ手の監物太郎頼方が馬に乗って現れ「さあ!尋常に勝負あれ」と襲いかかろうとするとき,東雲が長刀を抜いて監物に迫る.監物は馬から降り刀を抜いて東雲に襲いかかる.2人の大立ち回りが続くがさしもの監物もかなわぬと見てか再び馬に乗り逃げ失せてしまう.
そして東雲は梅の木に,義経は五葉の松に変身してめでたく物語が終わる.
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