岐阜県加茂郡 八百津町久田見 久田見まつり
神明神社の境内に整列した6輛の花山車
久田見は江戸時代木曽川を利用して運ばれてきた物資を各地に送る中継基地として重要な宿場として賑わっていました.天正18年(1590)稲葉一鉄の子右近方通がこの地に派遣され,当時行われていた祭りに格別保護を与え,その後尾州藩の領地になってからも藩の役人が出張してきたといわれています.
花山車はいずれも同じような構造で,山間部の移動に便利なように二輪の内輪式です.梶棒は二本で前後に突き出ています.
屋根は唐破風で,屋根の上には4本の赤い幟と白い幣束,棟には一対の鯱をあげ長押上には彫刻が施されています.上層部は正面が御簾,残り3面が赤い幕,下層部は飾り幕で囲われた豪華な花山車です.
製作年代は明らかではありませんが,薄野,小草,中盛,松阪・後口,入野,野黒の六地区に各1輛ずつ保存されていて,道具箱には享保・天保・安永・天明などの墨書が見られることから,今から300年近く前には花山車が祭りに曳き出されていたと思われます.
高さ5m前後.高欄の奥行き,横の長さは2m50cm前後.車輪の直径は90cm前後です
白髭神社前 神明神社前
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参考資料: 岐阜県の祭り屋台
ふるさとの行事-美濃と飛騨-
ふるさとの芸能-久田見の糸切りからくり-
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