コツボメと福太郎の会話
コツボメ あっぱれ所や 好い所 年明け 春来たり 農時近うなったり 山王七社の御穀田 薬師仏の御奉供田に 御台衆の寄田耕田の打って参らしょう 良い地は 一打ち打てばいいの香のす 二打ち打てば酒の香のす 三打ち打てばいい酒の香のす やがて年々の吉方へ向かって福太郎を呼んで ひっかけ打って参らしょう 福太郎
福太郎 やあ
コツボメ あっぱれ所や 好い所
福太朗 好い所
コツボメ 年明け 春来たり
福太郎 春来たり
コツボメ 農事近うなったり
福太郎 なったり
コツボメ 山王七社の御穀田に 薬師仏の御奉供田に 御台衆の寄田耕田の打って参らしょう
福太郎 我らもさらば 打って参らしょう
コツボメ 良い地は 一打ち打てばいいの香のす
福太郎 ほうとする ほうとする
コツボメ 二打ち打てば酒の香のす
福太郎 ほうとする ほうとする
コツボメ 三打ち打てばいい酒の香のす
福太郎 ほうとする ほうとする
コツボメ 田を打つ牛は
福太郎 べぼう べぼう
コツボメ あっぱれ牛や 好い牛や 好い牛は 一打て打てば三はね跳ねる
福太郎 三はね跳ねる
コツボメ 代はかえつ 苗代草を散り散り はなばなとひろげ 大足に踏んでとうとう
福太郎 小足に踏んでとうとう
コツボメ 大足に踏んでとうとう
福太郎 小足に踏んでとうとう
コツボメ 大足に踏んでとうとう
福太郎 小足に踏んでとうとう
コツボメ 大足に踏んでとうとう
福太郎 小足に踏んでとうとう
コツボメ 苗代は ひつ下水口をふさぎ 上水口をあけ 苗代水をさらさらと
福太郎 心のままに
コツボメ 山王七社の御穀田に 好し早稲の種千万石 薬師仏の御奉供田に 福万石の種千万石 御台衆の寄田耕田のこうこうぶしの種千万石を ずっと取って参れ
福太郎 山王七社の御穀田に 好し早稲の種千万石 薬師仏の御奉供田に 福万石の種千万石 御台衆の寄田耕田のこうこうぶしの種千万石を ずっと取って参った
コツボメ 山王七社の御穀田に 好し早稲の種千万石
福太郎 とうとうとう
コツボメ 薬師仏の御奉供田に 福万石の種千万石
福太郎 とうとうとう
コツボメ 御台衆の寄田耕田のこうこうぶしの種千万石
福太郎 とうとうとう
コツボメ 年よし世よし所よし 年よし世よし今年よし 年よし世よしなるわいよし 稲なる笹は稲となる 福太郎のおおねなし
福太郎 はらはらふくれ
コツボメ さらば苗見に行こう
福太郎 我らもさらば苗見に行こう
コツボメ あっぱれ苗や 好い苗や いいもり苗に植えば立ったり
福太郎 植えば立ったり
コツボメ 飯司の早乙女千万人 富司の早乙女千万人 三千前に物の具を添えて おとう前も化粧して ずっと参れ
福太郎 飯司の早乙女千万人 富司の早乙女千万人 三千前に物の具を添えて おとう前も化粧して ずっと参った
コツボメ 早乙女も参ろう 朝から苗を取ろう
朝苗を取るには さはらよの苗 ゆかやてにてどゆくよの
コツボメ 苗は取つ 代鍬を合わせて 植えて参ろう 
げい人りい人とうん とんびがはら田を植え 都めぐりをしよう
コツボメ 西の海へかかって 牡蠣蛤を取って 都めぐりをしよう
西の海や 西の海や 牡蠣蛤めなごの 牡蠣蛤めなごの なるとの わかめなごの なるとの わかめなごの 何駒にや 何駒にや 手綱を かけてなごの手綱を かけてなごの おぐしまを めぐるなごの おぐしまを めぐるなごの のりしずう めたるなごの のりしずう めたるなごの あまにといしや あまにといしや 都へ なびけなごの 都へ なびけなごの 我もなびかや 我もなびかや 青い雲の たなびくは このりかや 水晶の たなびくは ほしかという しゅげめよいかや