榑木踊り唄
相戸の庭 .御座をつくれ座をつくれ
是が子供の笠ぞろい
氏子のこらず集りて
榑木踊りを取そろへ
一節そろへえ御目にかけ
産神様へと差し上る
御すゑを申せばまだ長い
御祭礼踊りはこれまでぞ

御庭をはるかで眺むれば
四角四面でさて見事
屋敷をはるかでながむれば
東用水西かいどう南用地に北林
つぼ木をはるかでながむれば
金木銀木植ならべ
御末を申せばまだ長い
御祭礼踊はこれまでぞ

鍛屋と関屋の山の神
御祭礼踊りを差上る
山住様へも差上る
氏子無病と守らせよ
あくまげどうのさわりなく
蚕はんじょと守らせよ
あたりましますいはいでん
御祭礼踊りを差上る
御末を申せばまだ長い
御祭礼踊はこれまでぞ
.    . 天王様 天王様へとまず入りて
お庭をはるかでながむれば
四角四面でさてみごと
鳥居をはるかでながむれば
黄金の鳥居でさて見事
御社頭はるかでながむれば
御社頭はるかでながむれば
千木たる木でこけらぶき
八ツ棟造りでさてみごと
御すゑを申せばまだ長い
御祭礼踊はこれまでぞ

鎌倉殿の御卑族が
天竜川すじ御巡検
ここは時又川ぎしか
通る筏にうちのりて
げきもちょうしもうちのりて
是が温田の南宮か
ここに御あがり遊ばして
天竜川のまんなかに
かけずくずれず岩立の
さても堅固な宮立よ
又おはちに御のぼりて
朝日かがやく景のよさ
夕日たなびく風涼し
南宮氏子を呼び集め
東西しずまれおしずまれ
しずめて事も御聞きあれ
南山榑木かり出して
ゑる木千本数千本
南宮島に積下し
南宮神社の祭礼に
榑木踊りをおこなはれ
時は鎌倉御世の頃
御すゑを申せばまだ長い
御祭礼踊は是までぞ

向ふ戸山のあさいけで
姫や小姓がすげを刈る
なんにするとてすげをかる
みのじゃあるまいかさである
ここで作りた三度笠
天竜下りのしぶきよけ
是を神社にそなへ置き
南宮神社の祭礼に
榑木踊りを取り揃へ
踊る子供にうちさせて
一節そろえて御目にかけ
氏子のこらず集まりて

御受いたした折からわ
又も筏にうち乗りて
笠をいただきおかわりに
是が信州の檜笠
是を御持ちてしぶきよけ
いざ皆さらばとこぎ出る
むかい送りの笠ぞろい
榑木踊りの例祭を
産神様へと差し上る
御末を申せばまだ長い
御祭礼踊りはこれまでぞ
御薬師様 御薬師様へとまず入りて
御祭礼踊りの通りがけ
御薬師様へと差上る
あたりましますいはいでん
御祭礼踊りを差上る
御末を申せばまだ長い
御祭礼踊はこれまでぞ
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