役者の順序.人数.服装.持ち物など
順序 役 割 名 人数 服装.持ち物など
露払い 裃.黒足袋.紙緒草履.青竹の杖を持つ
禰宜 白張.白足袋.白緒の下駄.大弊を持つ
鍵取り 萌黄色の直垂.白足袋.下駄.社殿の扉の鍵を持つ
御供 羽織袴.黒足袋.下駄
出花持ち 平服.出花を持つ

出花(だしのはな)=長さ2m位の竹竿の先に直径50cmの中に藁を詰めたひょうたん型の籠をつけ,長さ90〜180cmの割竹を64本差す.割竹は紺色の紙で巻き,桜の切り花を350〜400位つける
神幟持ち 平服.白山神社御幟を持つ
悪魔払い 赤地の長衣.赤い鬼面をつける.三縄の帯.藤はばき.紺足袋.太緒の花房草鞋.右手に軍配,左手に木製の槍を持つ
長刀振り 緑色の長衣.青い鬼面をつける.右手に軍配,左手に木製の長刀を持つ
音頭 着流しに羽織.鶏の形をした冠をかぶる.黒足袋.紙緒草履.右手に扇子を持つ
10 折太鼓 白地に紺の格子縞の短衣.紺地の縞の袴.紺色の足袋.紙緒草履.白地の手甲.蝶の形の冠をかぶる.赤の襷.黄色の帯で胸に太鼓をつけ,背中にしないを背負う.両手に撥(長さ40cm)を持つ.

しない=長さ360cm.幅2cmの細く割った竹8本を紺色の紙で巻き,それに色紙で作った,桜の花と赤・黄・緑の葉をこよりで結びつける.
11 鉦引き いでたちは折太鼓と同じ.左手に鉦,右手に花房のついた小槌を持つ
12 笛吹き 16 裃.白足袋.紙緒草履.鶏の形の冠をかぶる.六つ割り笛を持つ
13 簓(ささら)摺り 16 花模様の着物.柿色地の広帯で太鼓結び.白足袋.紙緒草履.粉白粉で化粧し花笠をかぶる.手には花房付きのささらを持つ

花笠=直径40cm.縁と頂きに五色の切り花をつけて垂らす.表面は黒い線で五つに区切り,白地の空いている所には色紙で模様をつける
14 田打ち 16 紺のはんてん.白股引.紺脚絆.紺足袋.紙緒の花房わらじ.白の手甲.白襷.木製の小さな鍬を持つ

白襷=結び目には赤・桃・青・緑・黄の五色の布を亀甲形に組んでつけ,その布の端は背中に垂らす
15 大黒舞い 大黒の道化面.大黒頭巾.広口袖の格子の短衣.たっつけ袴.藁の深沓.左手には打ち出の小槌,右手には扇子を持ち,腰には太刀,後には印籠をつける
16 大奴・小奴 各8 衣装は随意.顔に墨を塗り,目を隈取り,奴髭をつける.右手に切り紙を張ったはやし棒を持ち,腰には刀.帯は太縄.鉢巻きや頬かむりなどをつける
17 踊子頭 着流しに羽織.赤紐の青笠.黒足袋.紙緒草履.右手に扇を持つ
18 踊子 15 地唄頭に同じ
19 花笠 12 紅白粉をつけ,白地に花模様の着物.帯は黄・赤色の縞の広帯で蝶結び.白足袋.紙緒草履.花笠をかむり,サクラの造花を持つ

花笠=直径45cm.梅の花型で白地に赤の縁取りをし,花弁毎に模様を入れる.頂には一月は松・二月は梅・三月は桜・四月は藤・五月はあやめ・六月は牡丹・七月は萩・八月はすすき・九月は菊・十月は紅葉・十一月は山茶花・十二月は桐の造花をつける.閏年には花笠は13人になる.
20 おかめ踊り おかめの面をつける.頭巾をかむり女装する.白足袋に草履.左手に花鈴,右手に扇を持つ

花鈴=長さ15cm位の柄の先に割った竹で15cm位の輪を2つ十文字につけ,五色の切り紙で飾り,中に鈴を入れる
21 大傘持ち 平服.傘鉾を持つ

傘鉾=直径180cmの大傘に括り人形を120個位ぶら下げ.周囲に紫の水引き幕を垂らし.頂には四角い万灯型の飾りを付け.四方に紋所を入れる
22 踊幟持ち 平服
23 各世話役 14 羽織袴(拍子打ちの世話役は羽織を着ない).黒足袋.下駄.
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歌詞
音頭 しずまれおしずまれ
   東西しずまれ おしずまれ
踊子頭 東西しずまれ おしずまれ
踊子 東西しずまれ おしずまれ
トーハンリワコンリワドッコイサドッコイサ
音頭 にちはこんにちは
   さてこんにちは こんにちは
踊子頭 さてこんにちは こんにちは
踊子 さてこんにちは こんにちは
トーハンリワコンリワドッコイサドッコイサ


歌詞は左に示したように
まず音頭が最初の行の空白から歌い始めて.続けてその行の始めからもう一度唄い返します.
次に.踊子頭がその行の始めから一回
さらに唄い踊子がもう一回唄います.
その後.奴の囃子が入ります.
以下次の行.次の行へと歌い続けられていきます.
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中桁前の踊
東西 しずまれおしずまれ
さてこん にちはこんにちは
当社 氏子の御祭礼と
おのおの 拍子を取り調べ
行列 かたくつつしみて
役者 そろえて神楽し
急ぐ まいかよお庭まで
あれあれ 東のおのえより
南の 丘の小松原
人音 なれば四五十騎
一度に ときをどっとあげ
何もの ならんと見てやれば
源平 両家のたたかいに
両陣 おとらず立ちならび
まずいち ばんの神社には
長いこと 申せばきりもなし
この歌 ここに止めおいて
お家 繁盛ご繁盛と
祝い おさめてまいるなり
   (しずめ歌)
これのお屋根でけさなくからす
よくよく聞けばめでたいからす
こがねの玉がふれとなく
こがねの玉がふるとなく
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お庭踊
東西 しずまれおしずまれ
さてこん にちはこんにちは
氏神 様のご縁日
これなる 氏子が集まりて
いつもに かわらぬ掛踊
これも 神へのごちそうと
五穀 成就のためぞかし
取りわけ きょうのついたちは
八朔 日とて祝うなり
五穀に 穂らぬ品もなし
ここにて かおくしたまえよ
あらあり がたの世の中よ
天下 泰平におさまりて
国も 豊かな御代に住む
万歳 楽とおさまりて
願うは おろかな沙汰なれど
国も 豊かに長久し
五穀 成就を願うなり
願わぬ とても神様は
ご利生 深くましませば
千秋 楽と舞いおさめ
おいとま もうしていざかえる
   (しずめの歌)
拍子もお地歌もいざゆくまいか
しげり細道いざさに露が
いらぬまにいらぬまに
おいとま申していざ帰ろ
おいとま申していざ帰る
拝殿前の踊
東西 しずまれおしずまれ
まいる まいると念かけて
今こそ まいりたお庭まで
あらおも しろやたのもしや
いくとせ 待ちたお祭りに
今こそ 会うたとよろこんで
勇み 勇んで楽しむも
ひとえに 神のご利生なり
豊かな 御代のありがたさ
お祝い おどりもこれまでよ
   (しずめの歌)
めでたよめでたののやれそりゃめでたのよ
若松は若松は枝も栄よりゃの
やれそりゃ栄えりょよ
葉も茂る葉も茂る
枝も栄よりゃのやれそりゃ栄えりゃの
葉も茂る葉も茂る
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