となえことば    うたいことば
唱詞 ,謡詞
かんばやしのこと よういやあ 新しき年の始めの年男 持てぞ参れば 美濃に上品 尾張に白衣 三河に紬 遠江にあらなしの米 駿河に斧 伊豆に大鞍 甲斐に黒駒 上総にあぶみ 武蔵しりがい 出雲ぐつわに紺の手綱を取り揃え このみうちに持てぞ参れの年男
よういやあ ごしょうめん 徳若次郎の世に来れば
よういやあ 春来れば まく花米をうちまきて
よういやあ ゆずり葉の若葉を持つて舞つたれば
よういやあ 白金のひしゃくを持って水くめば 水もろともに はいやいや はいやいや
松竹はやしのこと
神明しずかにあァら給え
松をば祝うて立てたれど
鶴と亀とのお祝いには
竹の林が高きとゥて
春来て秋ゆくつばめ鳥
それをば何とか祝うたれ
剣の焼刃がはやきとゥて
瑠璃かうるりかまさるりか
東御山の妻戸ゥより
南表の広縁には
お前参りて打つ鼓
長生殿の御内には
年はゆけどもあかぬもの
御ろうじ給えたまの御内に 
とびが入り給うなり
(とり)御門に五葉の松を立ァて
(とり)万才せェよと唱えける
(とり)幸い心に任せつつ
(とり)天竺天までとゥどくかよ
(とり)たんばのおどろに巣をかけて
(とり)長者のしんとぞ祝うたり
(とり)巌のこゥどを削るかよ
(とり)善哉童子がとゥぼしびか
(とり)十五夜の月こそ出で給え
(とり)千とせの車をやりかけて
(とり)あやァのもんのおしたたみ
(とり)不老の門のたて並べ
国づくしのこと 再拝 再拝と謹み敬って申す これ当り来る年月年号は 何のえ何のとの年なれば(その年の年号年数干支を述べる)持て来る月の並びは十二か月 日の数は三百五十四日 大歳始まる正月朔日 三日の日は何のえ何のと(その日の干支を述べる)の日なり 只今が竜瞑が時 天に花咲き地には黄金の実がなるが時 当山五人のおえぼし参り来って 氏原の氏人と中とりとって申すようこれも私ならぬご祈祷かな
天下にとりては大将軍 国にとりては守護国守 寺中にとりてはみだい将軍 大日本国奥州 東は東海道 紀の国みちの中国 諸々の郡を 音無川の水上に 取りわけ三河八郡 設楽の郡 六十六郷がその中に 跡を垂れ光をやわらげ お立ち候鳳来寺 峯に立ちしは白山権現 勝岳仙人 鎮守は三社権現 御薬師十二神の御前に 玉の御宝殿よりも 扉をゆり給う御祈祷なれば 黄金の扉をおし開き みすの簾を巻きィ上げ 錦の戸帳を押畳み 小男鹿や小男鹿やと 八つの御耳振り立てて 二つのさらりの御眼 あざやかに見聞かせ給うなり 空は非想天 中は法界 浪は海竜王の底までも 善哉なれや 善哉なれやと 神は聞き入れほめ納受を垂れ給うなり 夜六とき昼六とき 十二が刻おどろきなくさわぎなく びんの枕にかたむきなく 夜は門に立って 随求羅陀尼の御守りとならせ給うなり 昼は棟に立って 吉祥天の高札とならせ給うなり 護り守護し給ゆれば 遠くの衆生は聞いての楽しみ 近くの人は見ての喜び 寺も安穏平癒に 地頭政所 預かり三社に至るまで 諸願成就の御祈祷 謹み敬って安穏に申す
鴬の舞のこと うぐいすの うぐいすの
としとるはじめのあしたには
するするひげいてほけきようよ
棒の祝いのこと (さいとう)ひあかし棒を受け取れ
(ひあかし)受け取りましょうお祝いなされ
(さいとう)いと千ば わた千ば 野登釜七くち つくり俵百俵 竹槍七本 内女房十八人 外女房十八人 合わせて三十六人のうち 己が目についたのを一人取り のこせしほかはおっぱらえ
面申のこと (媼)仏法のとまりとはこの程に申すかな
(ハヤシ)仏法のとまりとはこの程に申すかな
(媼)仏法のとまりとはこの程に申すかな
(ハヤシ)仏法のとまりとはこの程に申すかな
(媼)仏法のとまりとはこの所を申し候 文武天皇の御願 勝岳仙人の草創たる霊地なり すでに九百余才の星霜をおくり給うなり まことに利生あらたかにおわしまし候 天下も穏やかにして 四海浪静かにして 福寿の枝をならさんと 五穀豊穣にして五万歳を保ちまし候 さ候へば翁参りて お寺もご繁昌にして お祝いの時分はやしてたび候へば 諸人の殿原万歳楽 万歳楽
次の面申のこと (翁)舅の鍵取鍵持て参れんの
(ハヤシ)御倉の戸開けてとびつまに参れんの
(翁)舅の鍵取鍵持て参れんの
(ハヤシ)御倉の戸開けてとびつまに参れんの
(翁)舅の鍵取鍵持て参れんの 御倉の戸開けてとびつまに参れんの しんな法によって 明徳や珍らなり おうほうせんによって 利生あらたかにおわしまし候 いつもの風静かにして 不浄の塵を払うなり 和合の月普く衆生を照し給うなり 凡そ国土安穏の時分 松かげが時分な さんもよかりけるこうとかな
(ハヤシ)松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(翁)上界にとりては 上界にとりては 月日のならびも 星野くらいもはなとこそよみ給え 松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(ハヤシ)松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(翁)下界にとりては 下界にとりては えんま法王 しだい天王 五道の冥官 仏法口の諸帝もはなとこそよみ給え 松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(ハヤシ)松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(翁)当山にとりては 当山にとりては 白山権現 勝岳仙人 鎮守は三社権現 御薬師十二神もはなとこそよみ給え 松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(ハヤシ)松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
(翁)惣じて よじよの神たち 三万七千余所の神たち 雲の上のむら神も 霞が上に行立って はなとこそよみ給え 松かげが時分な さンもよかりけるこゥとかな
弓納のこと
祈詞 でんぱくなりわい 二十四のつくりもの 三明こうがい いと綿 きぬぬの ずんざけんぞく むぼうしの宝物にとりては ふだんなり ふだんなり
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白紙納の詞 東は津軽かつぶよりこつち 南は南海くだらくよりこつち 西は筑紫鎮西よりこつち 北は越中越後よりこつち みだいしょうぐんの御印 月夜にあそばせ候へ共 御筆の立て所鮮やかなり さだやかなり 白金の御桝 黄金の御とかけ おっとり合せ こなたの御くらへ しずかにちょっと納め申候
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弓納の詞 白山権現 勝岳仙人 鎮守は三社権現 御薬師十二神の御前にて みだい将軍の御いんぶつ やらつやらつやらつ
田うたのこと 田畑なりわい やりとんば
二十四の やりとんば
つくりもの やりとんば
三明こうがい やりとんば
糸わた やりとんば
きぬぬの やりとんば
ずんざけんぞく やりとんば
むしもの やりとんば
たからもの やりとんば
やりとんば やりとんば
ああらめでたンや
あさ苗取る女子の手にてはよな 手にてンぞゥ行くよな
ひかれてンぞゥ行くよな
ああらめでたンや
あさはかには とんびが田をうえよな
ああらめでたンや
とびしおしおと 花ぞさかゆるよな
ああらめでたンや
かりかり入れて 七よさかゆるよな
ああらめでたンや
京から来るふくら雀はよな よねンたわらを結いいただいてんぞうわすよな
ああらめでたンや
京から来るふし黒の稲はよな いね三把で米八石よな
ああ米は八石よな
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