2007年8月7日(火)石川県珠洲市宝立町鵜飼で「宝立七夕キリコ祭り」が行われました.
能登には多くのキリコ祭りが残されていますが,このキリコ祭り.いつ頃から行われるようになったかは明らかではありませんが,正保三年(1647)に輪島の住吉神社の祭礼定書きに見ることができます.しかし,その頃はまだ,長さ4〜5メートルの笹に上下約40センチ,幅約30センチ,奥行き15センチくらいの直方体の行灯をつり下げ,一人で持ち歩いた「笹キリコ」と呼ばれるものであったと思われます.それが,時代とともに大型化し,江戸中期には「風流」の影響も受け,今日のようなキリコが生まれてきたと考えられています.1800年頃になると,北前船が活躍し,輪島やその周辺は経済的にも潤い,キリコが巨大化し豪華になっていきました.また,北前船の行き来で互いに影響を受け合って青森や,秋田の竿燈など,日本海沿岸に灯籠を用いた祭りが盛んになったとも考えられます.
過疎化で担ぐ人が少なくなった地区では,輪を付けて曳くようにした所もあるようですが,ここ宝立のキリコは能登のキリコの中でも大型のもので,高さ10メートル以上.重さも2トン近くあり,100人以上で担いで練り歩きます.また,終盤海に入り,花火が打ち上げられる中,沖に設置された松明の周りを回り,祭りはクライマックスを迎えます. |