2007年8月14日(火)愛知県新城市大海で「大海の放下」が行われました.
「放下」とは,”心身共に一切の執着を捨て去ること”という仏教用語です.平安時代末期混乱した世相の中,僧侶は曲芸や歌を歌いながら仏の教えを説き歩いた(放下僧といわれています)のが始まりとされています.それが,江戸中期以降大念仏や念仏踊りを取り入れて,お盆の行事として先祖の御霊を祭り,併せて五穀豊穣などを祈るようになりました.
大海では,まず泉昌寺の境内で踊りが行われ,列を作って滝神社に向かいます.ここで小休止をして,新盆を迎えた家を順に回ります.行列は先頭に切り子灯籠を持った露払い・その後ろに提灯を持った世話役・そして笛役・鉦・団扇・雪柳・提灯を持った人や一般の人が続きます.
太鼓役は全長2.8メートル,幅1.2メートル,重さ6キロの団扇を背中に背負い,お腹には直径約50センチ,重さ4キロの太鼓を抱えて踊ります.大団扇の絵柄は「升」,「鷹の羽」,「かたばみ」の3種類です.また,雪柳はササラともいい,長さ2メートルほどの竹を裂いて紙飾りを付けたものを背負いササラを持って踊ります.
大海の放下は愛知県の無形民俗文化財に指定されています. |