梅津神楽
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幣の舞 三宝の舞 天王の舞 八幡の舞 鬼の舞
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殿の舞 八王子の舞 三宝の舞 須佐之男の舞 恵比寿大黒の舞
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翁の舞 宇須売の舞 梅津流太刀の舞 金丸の舞 五方の舞
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米の舞 神返し 〆切の舞 大弓の舞 へんばい
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今週の14〜15と徹夜の祭り「新野の雪祭り」を見に行ったばっかり!というのに,今回も19日(土)〜20日(日)にかけて行われた「梅津神楽」を見に行きました.梅津神楽が終了したのが,午前2時過ぎ.なので,完全な徹夜!ではありませんが,家に帰り着いたのが午前6時頃なので,ほぼ徹夜で!と言っていいと思います.
この祭りは,応仁の乱の時,京都梅津の里にすんでいた筑地氏一族が都を離れてこの地に住み,神楽を始めたといわれ,コダマ石神社と若宮神社の祭礼の前夜祭として,1年交代で行われてきましたが,現在は「接岨峡温泉会館」で行われます.
いわゆる「駿河神楽」といわれるもので,県の無形民俗文化財に指定されています.
神楽は,「幣の舞」で始まり全部で十六段から成っていますが,同じ舞を重複して舞ったり,特別の舞を入れたりすることがあるため,16を越えることがあるようです.現に今回も,三宝の舞が二回,神返し・〆切の行事・ヘンバイを入れると二十段になりました.
今回は終了予定が午前1時頃!ということなので,始発の電車まで待つと待ち時間が,今田花の舞の時どころじゃあない!ということで,自家用車で出かけることにしました.
伊勢湾岸東海ICから入り,東名相良牧ノ原ICまで.そこからは一路大井川沿いを北上.約4時間弱.会場の「接岨峡温泉会館」は,まだ地元の方が直会の最中.5時少し前,会場に入り,太鼓の後あたりに陣取ることにしました.この寒い中,室内で見られると云うことは,何よりありがたいです.
5時過ぎ,最初の舞である幣の舞が始まりました.舞は30センチくらいの高さの舞台で行われ,舞台の上には,五色の紙垂(ひいな飾り)が飾られていました.
今回は,スローシャッターを積極的に切ってみようと一脚を持参しました.年明けに4Gbのメモリーを購入したので,心おきなくシャッターを切ることができます.
鬼の舞の後30分の休憩.2階におでんとかうどんなどのバザーがあるということだったので,この間に腹ごしらえをしようと2階へ.あがってみて驚いた.もう超満員!畳が敷かれた大部屋に長テーブルが並べられ,おつまみを食べながらビールを飲んだり,お酒を飲んだり.大宴会!という感じでした.おそらく働きに出ている人も,よそに嫁いだ人も,この時は地元に帰ってきて旧交を温め合っているんでしょう.また,日頃は忙しくて余り話もできない人同士もお互いの近況を話し合っているんでしょうね.年に一度の祭りはまた,若い人とお年寄りとの交流の場にもなっているんでしょう.
管理人は,おいなりさん3個入りパックを買って,立ったままで急いでほおばりました.先日の新野の雪祭りの鶏汁もおいしかったのですが,このおいなりさんもまさに絶品!
休憩後は殿の舞から.恵比寿大黒.続けて翁の舞の頃には,2階から燗どっくりやおでんを持ち込んだり,缶ビールを持ち込んだり.酔っぱらってとっくりやコップが倒れて,もう宴会場のような雰囲気の中で舞が続けられます.宇須売の舞・太刀の舞・金丸の舞など舞が進むに連れて舞人も,観客もテンションが上がっていきます.
大弓の舞が終わると,舞処の天井に飾ってあったひいなを降ろしてへンバイの準備に取りかかります.そして,最後に願主があるときのみ行われるという神事が,数年ぶりに行われました.
すべて終わって保存会長さんのお話が終わったのが午前2時20分頃.外に出るとさすがに寒い!車のフロントガラスは真っ白!夜道をこのまま走ったのでは大井川に転落!の危険性があるので,暫く暖機運転.半分くらい解けたところで相良牧之原ICにナビを合わせて出発.途中で考えが変わって,浜松まで国1を走ることにしました.でも,浜松の手前でナビ君がフリーズ.道路標識を頼りに無事浜松ICに入ることができました.相良牧之原ICから入った分安くなったので,名古屋南ICから名古屋高速に!
今回も無事お祭りが見られて感謝!
でも,やっぱり寝ずの祭りは疲れます.

主な舞の感想と解説です.これ以外の舞については下のリンクから「山車とまつり」の『梅津神楽』をご覧ください.
「鬼の舞」−鬼に苦しめられた農民が,その鬼の子を隠したため,涙にくれてわが子を捜し歩く様子を表しているといわれ,何とももの悲しい笛の音にのって静に舞います
2回目に舞われた「三宝の舞」です.元々神楽は男性のみで舞われていたようですが,舞人が少なくなってしまったからか,女性も舞に参加するようになりました.でも,巫女さんの舞などよく行われているわけで,女性が神前で舞うことを忌み嫌うことはないと思うのですが…
「恵比寿大黒の舞」−一番人気の舞で,恵比寿が五方に釣り糸をたれて鯛を釣り上げると,大黒と二人で大喜びします.二人の仕草やせりふに見物人は大笑い!盛んにヤジも飛びます.大黒が去った後も,恵比寿は舞台に残り,翁(大助)を待ちます.
「翁の舞」−大助はつえをつき,俵とこおりを引きずりながら客席の後から登場します.舞台にたどり着くと,恵比寿にいろいろ話しかけたり,日本の国の始まりなどを語ったりします.
「宇須売の舞」−宇須売と従女の二人が登場します.宇須売は笛と太鼓に合わせて,ゆっくりと優雅に舞います.宇須売の面形は品があって素晴らしいと思いました.従女は座ったままで,滑稽なしぐさで宇須売の着物の裾を直します.
「金丸の舞」−岩戸神話に登場する手力男命の舞.赤い金丸の面をつけ御幣を持って荒々しく舞います.天井に飾ってあるひいなを御幣でたたき落としたり,太鼓の上に乗ったり,舞台を大暴れします.そんな金丸を禰宜がオリカナを持って鎮めます.
「〆切の行事」−短い歌を歌いながら,五方のひいなを1枚ずつ抜き取ります.次に,刀を抜いてひいなをつるしてある綱を5カ所切ります.神様に元の処にお帰りいただくための行事です.
「大弓の舞」−大きめの弓と5本の矢を持ち一人で舞います.1本ずつ矢を射て4本目は神棚に向けて射ます.神様に向かって矢を射る!とビックリしました.でも,神返しも済んでいるからいいのか?と思いましたが…どうなんでしょう??
最後は「ヘンバイ」−数年ぶりで行われるというヘンバイです.天狗の面をつけ,鶏の形をしたかぶり物をつけ,星形に敷かれたさらし布の上を渡ります.布からはみ出すと凶.はみ出さないと吉!もちろん今回ははみ出さずに渡り終えて観客から拍手喝采を受けていました.
「梅津神楽」が行われる接阻峡温泉会館はこちらMap (地図ソフトには「接阻峡温泉会館」の表示がありませんのでおよその位置です)
「山車とまつり」の梅津神楽はこちら「梅津神楽」