布川の花祭
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かま祓い ばちの舞 順の舞 市の舞 地固め(扇) 地固め(ヤチ)
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地固め(剣) 花の舞(扇) 一力花の舞 花の舞(盆) 花の舞(湯桶) 花の舞(舞上げ)
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一力花の舞 花の舞(舞上げ) 一力花の舞 山見鬼 三ツ舞(扇) 三ツ舞(ヤチ)
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榊鬼 四ツ舞(扇) 湯囃子 茂吉鬼 獅子
2008年3月1日(土)から2日(日)愛知県東栄町中設楽で行われた花祭りを見に行きました.布川の花祭りは,今シーズン最後の花祭りで,昨年に引き続き2回目の訪問です.
今回はM氏の車に同乗させてもらい,東海ICから伊勢湾岸道を走り豊川ICから国道151をひたすら北上.花祭りが行われる布川莊も,この国道沿いにあります.途中の昼食の時間も含めて三時間半くらい.予想より速く,3時過ぎには着いてしまったので,今回は神事の神入りあたりから見られました.
今年は始めて花祭りを見るM氏が同行しているし,2回目なので様子も少しわかっているので,早めに見物席の一番前に座って席取り.
18時頃いよいよバチの舞が始まりました.続いて,順の舞,市の舞…と舞が続きますが,地固めの舞までは舞庭を清める舞ではないかと思われます.
地固めの舞が終わると,子ども達が舞う花の舞です.花笠をかぶって華やかな衣装を身にまとっての登場です.舞庭がいっぺんに明るく,華やかになります.親はもちろん,世話好きなセイトの衆も舞庭の中に入り込んできて,狭い舞庭はギッシリです.
前半の山場はこの花の舞と次の山見鬼です.山見鬼はまず伴鬼が登場します.見物席の最前列に腰掛けてみている者は一番気を遣う演目です.何故かというと,鬼の持つ鉞が最悪頭にゴン!となるかも知れないからです.鉞の先の方は鬼も気を付けて振っているのですが,柄の先の方まで気が回りません.yoshikも伴鬼の鉞の柄で右手の指をしこたま打たれました.役鬼がもつデカイ鉞にやられたらカメラなど吹っ飛んでしまいそうなので,その時は素早く横へ避難します.
今年も,一力花が沢山奉納されているので,一力花の舞も沢山舞われました.昨年に比べ,一力花の舞を舞う人はずいぶんレベルアップしていました.特に名古屋から来た中学生の舞は見事でした.
5時頃には第二の鬼.榊鬼の登場です.後半の山場のひとつです.五穀豊穣をもたらす農民にとって一番大切な鬼です.この鬼は花太夫と問答をします.
翁・四ツ舞と続いて後半最高に盛り上がる舞.湯ばやしになります.少年四人が藁で作ったゆたぶさと言う束子を両手に持って舞います.竈に薪がくべられ,釜の湯が沸騰します.少年達の顔は汗で光っています.曲がだんだんアップテンポになってきます.舞庭の中は異常な熱気に包まれます.一斉にゆたぶさを釜にいれて湯をあたりかまずまき散らします.舞庭の外も中も「キャー」と言う悲鳴で満たされます.
この湯を浴びると無病息災!健康で一年が過ごせると云われています.
舞庭が湯で濡れてしまうので,次の茂吉鬼が登場する前に舞庭には藁が一面に敷かれます.
最後はさいはらいの面を付けた導き役に導かれて獅子が登場します.二人立ちの獅子で舞庭を清めるようにゆっくり舞います.
これがすむと舞庭での舞は終了して,花太夫が奥の座敷でしずめを行ってすべての行事が終わります.

主な演目の解説と感想です.これ以外の演目については,下の「山車とまつり」の『布川の花祭』へのリンクからご覧ください.
「順の舞」−バチの舞に続く2番目の舞です.これから始まる祭を無事行うために,舞庭を清める舞のような気がします.鈴と扇を持って2人で舞います.
「地固め(剣)」−地固めの舞も順の舞と同じように,舞庭を浄める舞ではないでしょうか?二人で舞います.地固めの舞は「扇」,「ヤチ」,「剣」とそれぞれ持ち物を変えて3回舞われます.技術的にも高度で体力もそれなりに必要な舞です.
「花の舞(扇・盆・湯桶・舞上げ)」−子ども達の舞です.花の舞になると,舞庭がいっぺんに華やぎます.誰の顔もうれしそうにニコニコして,子ども達の舞に見とれます.特に,子どもの家族など,晴れ姿を残しておこうとデジカメや携帯カメラが大活躍です.
花の舞は「扇」,「盆」,「湯桶」と持ち物を変えて3回舞われます.でも,見ていると布川では舞に参加できる年齢の子どもすべてを,花の舞に参加させているようです.今回など,3〜4歳くらいの扇をもてあますような子どもも舞っていて,拍手喝采を浴びていました.
「山見鬼」−最初に登場する鬼で,午前2時半近くなっています.山を切り開き,田畑を作り,村人を見守る先祖を鬼として表しているのでしょうか?
見物人も囃子に合わせて,「テーホヘテホヘ!」と囃し,興奮状態でセイトの衆も舞庭の中に入って,鬼に合わせて舞います.
「三ツ舞(扇・ヤチ・剣)」−小学上級生から中学生くらいの,子どもが3人が舞います.花の舞を舞上げた子どもが,次に舞う舞です.三ツ舞は「扇」,「ヤチ」,「剣」と持ち物を変えて3回舞われます.技術的にも高度になり,体力的もかなり厳しい舞です.
「榊鬼」−最も重要視される鬼で,反閇を踏み大地に新しい生命力や活力を吹き込み,五穀豊穣をもたらす鬼です.花太夫と問答をして負けてしまいます.問答に負けた榊鬼はしばらく舞庭で舞ってから退場します.榊鬼が退場した後も,伴鬼はしばらく舞い続けます.>
「湯ばやし」−四ツ舞が終わると,釜いっぱいまで水をつぎ足し,竈に火を入れます.太鼓と笛が鳴り始めると,4人の少年が登場し,手にはゆたぶさとよばれる藁のたわしを持ち,アップテンポのお囃子に乗って4人で軽快に舞います.舞庭は人であふれ,興奮状態になってきます.釜のふたが取られ湯気が上がります.少年達の額には汗が流れます.すると,少年達は湯の中にゆたぶさを突っ込み,周りに釜の湯をまき散らします.舞庭は湯気が立ちこめ,その間から湯が飛んできます.
「外に撒けー!」と言う大人の人の声に,ゆたぶさを持った少年達は外まで追いかけ湯をかけます.
「中にも撒けまけー」の掛け声に,舞庭を取り囲む畳の部屋の中にもまき散らします.畳だから湯は掛けないだろう!と高を括っていた人もずぶ濡れ!yoshikのカメラも湯を浴びてずぶ濡れ!これでこのカメラは,今年1年無病息災で働いてくれることでしょう!!(汗)
「茂吉鬼」−ずぶ濡れになった舞庭に藁が敷かれます.最後の鬼が登場です.伴鬼がまず登場し舞っていると,茂吉鬼が登場します.この茂吉鬼は五色の細い紙が巻かれた槌を持って登場します.しばらく舞った後,湯蓋の中央に飾られた『蜂の巣』を槌で払います.本当はこの時蜂の巣が破れて,中から細かく切った五色の紙が散るのですが,この日は破れずにそのまま落ちてしまいました.切り込みも入れてあって破れやすいようにできているのに!残念!
「獅子」−竈祓いの獅子とか,清めの獅子と言われ,五色の幣束を持ちさいはらいの面を付けた導き役に導かれて,獅子が登場します.二人立ての獅子で,舞庭を清めるように竈の周りを回わったり,外のセイトの周りを回ったりして,舞庭に戻ってきます.舞庭に戻ってくると,地元の子どもが獅子に「咬んで!咬んで!」と獅子に頼んで頭を咬んでもらっていました.これですべての舞が終了です.

しずめの舞の時,yoshikは「車で来てますか?」と,一人の男性から声をかけられました.
用件は,土曜日にバスで来たけど,今日帰るのに足がないから,JR東栄駅まで乗せていって欲しいと云うことでした.M氏は快くOKされたので,東栄の駅までお送りしました.yoshikも昨年,東栄町や豊根村に花祭りを見に来ようと思った時,一番のネックになったのは,交通機関の問題でした.徹夜の祭を見た後,名古屋まで約三時間.運転に不安を感じます.有料で臨時バスを運行してくれると,もっと気軽に見に来られるんですが…
東栄町や豊根村の担当の方!何とか実現してください
帰りは,東名の美合PAで仮眠.無事帰り着きました.

「布川の花祭」が行われる布川公民館はこちらMap
「山車とまつり」の布川の花祭はこちら→「布川の花祭」(2007年3月3日〜4日のものです)