梅ヶ島新田の神楽
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御輿渡御 はまおり チキドン .
幣の舞 高嶺の舞 松竹梅の舞
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幣の舞 天王の舞 三太刀の舞 宇須女の舞 松竹梅の舞 弓の舞
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幣の舞 恵比寿の舞 五拍子の舞 八王子の舞 恵比寿大黒の舞 太刀の舞
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2008年3月8日(土)静岡県葵区の北のはずれ.梅ヶ島新田の稲荷神社の初午祭で神楽が奉納されるというので見に行きました.ネットでこの祭りを見つけたものの,場所,時間,神楽の内容などいまいち良くわかりません.そこで,梅ヶ島地区センターに返信用封筒を同封して問い合わせをしました.間近になってから思いついたので3日の月曜日の夕方投函.5日地区センターの方からTEL.留守電になっていたのでこちらから電話すると,「すぐパンフレットなど同封して投函したけど,料金不足で返ってきた.8日に間に合わないかも知れないので,要点などをFAXで送りたい」ということでした.FAXで送ってもらって時間とか,当日の神楽の内容がわかりました.でも,地区センターの方の心配がJPさんに通じたのか,返信の封筒が金曜日に届きました.中を見ると,パンフレットや付近の住宅地図まで入れてくださってありました.親切に対応してくださって感謝感謝!!です.ありがとうございました.
当日は,11時から神社で神事.その後行列を作って閏年のみ行われる「はまおり」という行事があると言うことなので,朝7時少し前に出発!いつものように東海ICから静岡ICへ.そこからは一路安倍川を遡ります.途中,昨年10月に訪れた有東木(有東木の神楽)への分岐点を通り過ぎます.
梅ヶ島に入ってからは,地区センターから送っていただいた住宅地図が役に立ちます.新田バス停を左折.少し上がると幟が立っていました.10時半過ぎ,神社のすぐ下に駐車してカメラを持って稲荷神社へ.階段を上り始めてもうこのあたりだろう!という予想を遙か超えて登れど登れど神社が見えてこない.20分近く階段との格闘.やっと神社に到着.これはしんどい!!
何で神社やお寺は高いところに建てるんだろう!!
と,心の中でブツブツ!
11時頃から神事.行列が御旅所へ向けて出発.今年は閏年なので,河原で「はまおり」という行事が行われます.
河原に着くと神事の後,弊の舞・高嶺の舞・松竹梅の舞の3番の神楽が奉納されます.
イッパイの光と,心地よい風を受けて何とも素晴らしい神楽を見せていただけました.
終わると,行列は稲荷神社まで戻ります.あの急な長い階段の山道をまた登ることになってしまいました.後悔しきり!きっと足が痛くなるだろう!
昼食後公民館の前に車を駐車.準備をして見える方に「チキドンは始まってますか?」
「いや.まだですがもうすぐ始めます」
「ここ(公民館)から出るんですか?」
「いや.すぐそこの当屋からです」
様子を見に行くと,ワゴン車で黄金の湯まで行って,温泉の旅館など回った後,集落の上の方から順番に回る.ということだったので,車に戻って休憩.
しばらくすると,太鼓の音が聞こえてきたので見に行きました.厄よけを願って各家庭を回るんだそうです.大小2つの太鼓の音が,本当に「チキドン・チキドン・チキドンドン」と聞こえます.
夜7時から公会堂で余興が始まります.この余興大会!地元の有志の方の演芸と神楽が行われます.
有志の方の演芸は,保育園の子どものお遊戯.踊り,バンド,木遣りなど多彩です.
神楽は,全部で17番伝わっていますが,その中から11番奉納されました.
最初は弊の舞です.後半にも奉納されますが,いずれも小学低学年くらいと中学生くらいと思われる子ども3人で舞います.子ども達に神楽を受け継いでもらいたい.という願いが感じられます.それに応えて見事な舞で会場から盛大な拍手をもらっていました.
神楽での人気はやはり「恵比寿の舞」と「恵比寿大黒の舞」です.
「恵比寿の舞」では恵比寿とおおすけの面を付けて二人が面白おかしく掛け合いと舞を舞います.また,
「恵比寿大黒の舞」は釣り竿を持った恵比寿・大黒と狐三人の絡みが面白く,子どもからお年寄りまで大人気でした.
途中福ミカン投げ,抽選会を挟んで太刀の舞が終わったのが夜中の12時.

主な神楽についての解説と感想です.これ以外の演目については,下の「山車とまつり」の『梅ヶ島新田の神楽』をご覧ください.
「渡御の列」−こんな急な階段状の山道を御輿を担いで下ります.
「高嶺の舞」−はまおりでの神楽の奉納.高嶺の舞です.四人で鈴と剣を持っての舞です.お天気も良く,風もあまりなく河原での神楽は感動的です.
「松竹梅の舞」−はまおりでの神楽の奉納の3番目.松竹梅の舞です.三人がそれぞれ背中に松・竹・梅の枝を挿したかごを背負って舞います.
「チキドン」−集落の家々を厄よけを願って回ります.子どもが喜んで付いて回っていました.太鼓,獅子頭,面を付けた5人で回ります.余興が行われている公会堂へも,夜9時頃訪れます.
「幣の舞」−夜公会堂での神楽舞の第1番目.幣の舞です.小学低学年の子どもと中学生くらいの子どもが舞っていました.なかなか練習もキチンとされていたようで,上手に舞っていました.会場からは大きな声援と拍手が送られました.
「宇須女の舞」−宇須女の面を付け打ち掛けを着て舞います.始めは幣束と鈴を持って舞いますが,途中から舞台の後方に置いて,打ち掛けを持って前を開いたり閉じたりします.ん〜〜?ストリップショーで見えそうで見えないように,衣装で前を開いたり閉じたり…こんな考えは不謹慎でしょうか?
「恵比寿の舞」−恵比寿とおおすけの二人のおどけた舞と,掛け合いに会場は笑いの渦に巻き込まれます.
「八王子の舞」−7人で剣を持って舞います.当日のプログラムには入っていなかったのですが,五拍子の舞に続けて舞われました.
「恵比寿大黒の舞」−恵比寿と大黒.それに狐が登場します.恵比寿が糸を投げると前の方にいる子ども達が糸を持って引き合ったり,おどけたしぐさを大黒と二人でします.終わりの方では,大人の方からお札が糸にくくりつけられ,会場は大いにわきます.

最後の全員による「冗談炭坑節」の踊りは失礼して車に.お天気が良かったので前後のガラスは霜で真っ白.軍手で掻き落とし,デフロスターで少し溶かして出発.
静清バイパス・藤枝バイパス…と国1号バイパスを走ったのですが,休憩する駐車帯が殆どないので,磐田ICから東名に入り,三方原PAで仮眠.途中豊田ジャンクションで伊勢湾岸道に入り損ねたので,仕方なく豊田ICから国道153を走って朝の4時頃帰着.
お疲れさま.翌日山の上の稲荷神社への往復が効いたのか,両足のふくらはぎがヒドイ筋肉痛!!
今回の梅ヶ島新田の神楽.いわゆる駿河神楽といわれる神楽です.梅ヶ島神楽保存会の方々が伝承してみえますが,嘉永元年(1848)この地に疫病が流行った時,竜爪見という大和尚が疫病の原因となったクダギツネをすべて稲荷神社に封じ込めたため,疫病が収まった.その大和尚の教えで初午の日に神楽を奉納し,無病息災を祈ったのが始まりといわれ,静岡市の無形民俗文化財に指定されています.
この地域の事情もあって,芸能大会と抱き合わせで行われる初午祭ですが,yoshikとしては,神楽のみ17番をすべて見たかった!というのが正直な感想です.でも,一番感動したのは,河原で燦々と輝くお日様の下で奉納された神楽が見られたことです.これだけでも大満足!!としなければいけませんね!!!
「梅ヶ島新田の神楽」が行われる梅ヶ島公民館はこちらMap
神事が行われる稲荷神社はこちら→Map
「山車とまつり」の梅ヶ島新田の神楽はこちら→「梅ヶ島新田の神楽」