熱田神宮舞楽神事
祈祷殿長床 振鉾 萬歳楽 延喜楽 喜春楽
敷手 胡蝶 還城楽 抜頭 長慶子
5月1日.熱田神宮で舞楽神事がありました.昨年見に行くつもりだったのが,当日運悪く雨が降ってしまったので止めてしまいました.ということで,熱田神宮の舞楽神事は今年始めてです.午前中に始まって,午後までかかる祭りでも,お昼休みがない事が多いんですが,熱田神宮の舞楽神事は,3番目の延喜楽と4番目の喜春楽の間に40分くらいお昼休みがありました.開始は10時半頃.終了は15時半頃.4時間少々で9曲演奏され,見応え十分でした.
会場は,本殿の西にある祈祷殿長床で行われました.室内で,天井の高さも普通位いで,撮影には照明があるとはいえちょっと暗く,ストロボを使いました.また,伶人さん方も大勢座ってみえるので,1人の舞でも狭く,4人の舞はいかにも!と思いました.
舞はいつもの振鉾から始まり,萬歳楽,延喜楽,喜春楽,敷手,胡蝶,還城楽,抜頭.そして最後は管弦だけの長慶子の9曲です.
熱田神宮の舞楽神事の歴史は古く,平安時代の初期には行われていたということです.その伝統を受け継いでいるのが昭和19年に結成された「熱田神宮桐竹会」のみなさんです.

振鉾−舞楽の最初に演奏される曲で,天地を祓い舞台を浄める舞です.鳥甲を被り,襲装束を着け鉾を持って舞います.
初節を左方の舞人が,中節を右方の舞人が,最後に後節は「合わせ鉾」と云って両方の舞人が舞います.

萬歳楽−唐楽(左方の舞)の平調の舞です.文の舞として武の舞の太平楽と共に,即位礼その他おめでたい時に舞われます.
舞人は鳥甲を被り,襲装束を着け,袍の右肩を脱いで舞います.延喜楽の番舞です

延喜楽−高麗楽(右方の舞)の壱越調の舞です.延喜八年に作られたもので,年号を曲名にしたといわれています.
舞人は鳥甲を被り,襲装束を着け,袍の右肩を脱いで舞います.萬歳楽の番舞です

喜春楽−唐楽(左方の舞)で,黄鐘調の舞です.舞人は巻纓の冠を被り,蛮絵装束を着け舞の途中で袍の右肩を脱ぎます.春を迎える喜びに満ちあふれた曲です

敷手−高麗楽(右方の舞)で,壱越調の舞です.舞人は巻纓の冠を被り,蛮絵装束を着け舞の途中で袍の右肩を脱ぎ,袖を翻しながら輪を作って舞います.

胡蝶−高麗楽(右方の舞)です.壱越調の舞です.舞人は山吹を挿した天冠を被り,萌黄色の袍を着け,背中に極彩色の蝶の羽根をつけ右手に山吹の花を持って,あたかも蝶が花から花へと飛び戯れる様を表した童舞です.番舞は迦陵頻です

還城楽−唐楽(左方の舞)の太食調の舞です.蛇を好んで食べる胡国の人が,蛇を見つけて喜ぶ様を表したものといわれています.舞人は赤い面を付け禰襠装束を着け右手に短い桴,途中から左手にとぐろを巻いた蛇を持って舞います.勇壮活発な舞です.

抜頭−唐楽(左方の舞)の太食調の舞です.舞人は,黒髪を振り乱した赤い面を付け,禰襠装束を着け右手に短い桴を持って舞います.猛獣にかみ殺された父の敵を討って喜ぶ様を表していると云われています.「抜頭は髪ふりあげたる。まみなどはうとましけれど、楽もなほいとおもしろし」と枕草子に記されています

長慶子−唐楽の太食調で,舞楽の最後に参会者が退出する際,演奏される管弦のみの曲です.

「熱田神宮舞楽神事」が行われる熱田神宮Map
「山車とまつり」の「熱田神宮舞楽神事」では,たくさんの画像が見られます「熱田神宮舞楽神事」