参 候 祭
稚児舞 津島神社 湯立て 不動の舞 恵比寿の舞
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毘沙門の舞 大黒天の舞 弁財天 布袋
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寿老人 福禄寿 との面 さいはらいと獅子
2008年11月8日.設楽町三都橋(みつはし)の津島神社で参候祭(さんぞろまつり)が行われました.ネットで調べたところでは
13:00〜神事・稚児行列(栗島観音堂)
19:00〜参候祭(津島神社)
だったので,10時頃出発.北設方面は何度も通っているおなじみの道です.名古屋ICを通り過ぎ,猿投グリーンロードを通り足助の町から国道420へ.途中ボツボツ川沿いや山の中腹に紅葉が見られます.折立を左折.すぐ川の右手に津島神社の幟が見えます.寄っていこうかと思ったのですが,そのまま上へ.数分で「栗島公会堂」へ着きます.幟が立っているのですぐわかります.12時少し過ぎ.丁度いい時間だと思ったのですが,道沿いに張られた張り紙には14時〜稚児行列.

時間があり過ぎるので,国道420に戻って田峰の方に向かいました.途中いつもは気が付かなかったのですが食堂がありました.お昼も過ぎたことだし,ラーメンと五平餅で昼食.
13時過ぎに,再度栗島公会堂へ.近所の方も沢山集まってみえます.ちょうど稚児さんの着付けも終わったところで,お母さんらしき方が写真を撮ってみえました.13時半頃から神事が始まります.稚児の舞も奉納され,津島神社まで稚児行列です.
実際に津島神社まで歩くのは,ちょっと大変だなぁ!!と思っていたら神輿,稚児が乗る蓮台などは軽トラックの荷台に乗せて出発.yoshikも素早く車に戻って車の行列の後に付きます.

途中で止まって蓮台を降ろし始めるので,どうするのかな?と思っていると,大人4人が蓮台をかつぎ,その上で稚児が笛太鼓に合わせて舞を舞います.途中3カ所ほどで舞を舞って津島神社に到着しました.yoshikは車を神社横の駐車場に止めて,神社での神事を見物.
後は,夜まで何もないので車の中でうつらうつら.5時半頃神社の境内に入ってみると,すでに正面には三脚の列.始めての祭りでは場所取りをどこにするかがわからないのですが,やはり正面かな??と思われます.でも,並んでいる三脚の間に割り込む勇気もないため横に三脚と低い脚立を立てました.

日も暮れて境内は見物人で賑わってきます.最初に保存会の会長さんでしょうか?挨拶があり湯立ての神事に続き「不動の舞」が始まりました.次第は
一番千子舞
二番不動舞
三番恵比須
四番毘沙門
五番大黒天
六番弁財天
(七番太平楽)
八番駒
九番布袋 寿老神 福禄寿
十番との面 さいはらい 獅子
の十番が行われます.ただ,七番の太平楽は,途絶えていて現在は行われていませんが,復活の準備をしているという保存会長さんのお話でした.

それぞれの舞は,本殿から登場し,中央の釜の周りを舞ながら回ります.すると,本殿に向かって左手の建物の前で,禰宜に呼び止められ問答をします.それが終わるとまた,釜の周りを舞い,最後に笹の束を釜に浸し,見物人に向けて湯を撒き退場します.
禰宜に呼び止められるとき,例えば最初の不動では
禰宜『かかるとおとき神座へ,ことすざましきなりをして,御出でたる者は何者にて候』
不動『参候,某は滝に住む,大聖不動明王とは我事なり』
のように,他の神も禰宜の『…何者にて候』という問いかけに対して『参候…』ということから,「参候祭」と云われるようになったそうです.

この祭り,七福神が登場するおめでたい祭りですが,永禄年間(1558〜1569)の記録の中に『折立牛頭天王八王子田楽祭』と田楽としての記録が残されており,元々は田楽として行われており,江戸時代初期,七福神の信仰を取り入れて,現在のような形になったといわれています.
また,この祭りは,栗島の十一面観音が津島神社に渡御するという,神仏混淆の形が現在も残っている珍しいものでもあります.

最後の獅子が終わったのが21時半頃.帰りも同じ道を走って23時少し過ぎに帰着.今回はその日のうちに帰ることができました.


一番千子舞−栗島公会堂で稚児舞が舞われた後,津島神社への途中で,稚児が蓮台の上で五方に舞を舞います.

湯立て−舞が行われる直前に行われる神事です.禰宜さんが桶にくんである水を,釜に注いだ後,釜の前でお祓いをします.

二番不動舞−剣と縄を持って登場します.不動はここに来たわけを『一粒を千粒と思う滝の水,みだりに汲み取るいわれいかに』と,滝の水を汲み取るわけを逆に聞きただします.禰宜の説明に納得して,不動は,見物人にも,たっぷり湯を振りかけて退場します.

三番恵比須−恵比須が,つり上げた鯛を糸の先につけた竿を持って登場します.恵比須はここに来たわけを『されば,当所に神楽するときき,惣氏子福を授けんと思い参って候』問答が終わると,鯛を五方から釣り上げる舞を舞います.湯を献じて休んでいると,毘沙門が登場します.

四番毘沙門−鉾を持ち甲冑に身を固めています.毘沙門はここへ来たわけを『されば当所に神楽あると聞き,氏子に福を授けんと参って候』と答えます.その後,前に登場していた蛭子を,鉾で追い返してしまい,毘沙門の舞を五方に舞います.

五番大黒天−大黒はここに来たわけを『当所に神楽あると聞き,身がゾングリゾングリとして来て候』と答えます.その後も禰宜との問答が続きます.禰宜が大黒が持っている道具は何だと聞きます.
『こちらの左にありますは,何であります』
『これかな.これは延命袋』と,次々に打出の小槌,大福袋,かくれ簑とかくれ笠,升と斗掛,ちんからりんのとんからりんと答え,最後にヌメクラ棒(木で作った男根)を見つかってしまい,『うちままよ ヌメクラ棒の披露披露』といいながら,見物人に見せてまわります.最後に湯を献じて退場します.子孫繁栄の舞です.

六番弁財天−女面に天冠をかぶり鈴と扇を持って,ゆるりゆるりと登場します.ここに来たわけを『氏子繁昌,五穀成就のため,清らかな湯を献上致さんとて来候』と答えます.鈴と扇を持って五方に舞った後,湯を献じ退場します.

(七番太平楽)

八番駒−禰宜が「よい駒よい駒」といいながら,駒を曳いて出てきます.この駒面はどこかで見たことがあるような…!!と思いながら見ている内に,思い出しました.黒倉田楽の駒と同じように細長い面をしています.

九番布袋 寿老神 福禄寿布袋は問答で,この場に来たわけを『さん候.当所氏子に子孫繁栄のため子福を授けんとして参って候』と述べます.布袋と禰宜との問答が終わると,続いて寿老神が登場します.
寿老神の登場です.寿老神はこの場に来たわけを『先だって,七福神みなこれへ御出なされ候によって,惣氏子無難長久のため諸社の盃を到さんとて来て候』と述べます.
頭が長〜〜い福禄寿が登場します.福禄寿は問答でこの場に来たわけを『さん候.惣氏子息災延命,五穀成就,万民繁昌のために,福徳長久の神酒を持参仕り候』と述べます.

十番との面 さいはらい 獅子殿面です.釜を三度まわり,五方に米を撒きます.
最後はさいはらいが獅子を連れて登場します.始め獅子は腰を低く歩いていますが,竈の周りを回るごとに,だんだん腰を伸ばして高くなります.さいはらいと獅子が湯を献じます.湯を献じた後獅子が暴れ出します.


栗島公会堂の場所は→Map
津島神社の場所は→Map   (両方とも地図には表示がありませんので,およその位置です)
「山車とまつり」の参候祭もご覧ください→「参候祭