坂宇場花祭
しずめ 地固めの舞−扇 地固めの舞−やち 地固めの舞−剱 花の舞−扇 花の舞−扇
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願の舞 花の舞−盆 願の舞 花の舞−盆 花の舞−湯桶 願の舞
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花の舞−湯桶 舞上げ 一の舞 山見鬼 三ツ舞−扇 三ツ舞−やち
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三ツ舞−剱 榊鬼 四ツ舞−扇 四ツ舞−ヤチ 四ツ舞−剱
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湯囃子 朝鬼 獅子 .
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2008年11月22日(土)〜23日(日)にかけて愛知県北設楽郡豊根村の坂宇場で花祭が行われました.
昨シーズンの東栄町の布川の花祭り以来です.日曜日には,JR飯田線の東栄からのバスがないため,車で行かざるを得ないyoshikとしては,帰りのことを考えると,翌日昼過ぎまでの花祭りは,躊躇せざるを得ません.
そこで,今回は豊根村の坂宇場の花祭りが,朝8時頃まで!ということなので見に行くことにしました.豊根村は東栄町のさらに奥で,北は長野県と,東は静岡県と堺を接しています.
北設楽方面へは,いつもは足助町から国道420に入るのですが,この時期香嵐渓の紅葉狩りで渋滞が予想されることから,国道153→国道301へ.下山村から県道に入り国道473へ.さらに北上していつもの420号へ.と,会場の八幡神社は国道151沿いの道の駅「グリーンポート宮嶋」のすぐ下です.この151号は,もう少し北上すると,新野峠を越えて,「新野の雪まつり」が行われる,長野県阿南町に続いています.
到着が早かったせいか,神社境内のはずれの方に車を止めることができました.グリーンポートに車を止められている方も結構沢山みえました.
坂宇場まで少し大回りになったかも知れませんが,カーラジオで「香嵐渓に向かう車が約10キロ渋滞」といっていたので,足助を迂回したことは正解だったようです.13時頃出発して,16時半過ぎに到着できました.
境内にはいると,正面の拝殿からお囃子の音が聞こえてきます.面をつけた二人が舞っています.しずめの舞で火王様と水王様の舞です.
車の中で,買ってきたおいなりさんで夕食.5時半頃から舞庭で座って始まるのを待つことにしました.6時少し前から,舞が始まりました.何の前触れもなかったので,練習か何かだと思っていたのですが,どうもそうではなくて地固めの舞の扇のようでした.それが終わると,次は地固めの舞のヤチです.
この日の次第が壁に貼ってありました.
一.バチの舞
一.湯立て
一.鎮めの舞
一.地固めの舞
      扇
      ヤチ
      剱
一.花の舞
      扇一
      扇二
      盆一
      盆二
      湯桶一
      湯桶二
一.舞上げ
一.一の舞
一.山見鬼
一.三ツ舞
      扇
      ヤチ
      剱
一.榊鬼
一.禰宜・翁・巫女
一.四ツ舞
      扇
      ヤチ
      剱
一.湯ばやし
一.朝鬼
一.獅子

花の舞の途中で「願の舞」が舞われました.また,「バチの舞」と「湯立て」はもっと早い時間に行われたのか,見逃してしまいました.
それぞれの舞は,かなり長時間で花の舞の扇の一は,どう見ても小学校以前の子どものように見えましたが,それでも30分以上の舞でした.大人の方が一人一人について,振りを教えながらでしたが,見事に舞い終えて拍手を浴びていました.
三ツ舞は40分程度.
一番舞庭が燃える山見鬼,榊鬼などは一時間近くの舞です.山見鬼は始めに伴鬼が20分位舞ってから登場しますが,榊鬼などは伴鬼が舞う時間も短く,大きな面をつけ,重い鉞を振り回しての舞は,さぞや大変だろうと思いました.
湯ばやしも舞庭が興奮のるつぼと化しますが,もっと湯を撒き散らす.と思ったのですが,それほどではありませんでした.
朝鬼は,ビャッケにつるしてあるハチノスだけを,たたき割るのかと思ったら,中央のビャッケそのものをたたき落としてしまいました.場所によって,少しずつ内容が異なって面白い!!と思いました.
最後の獅子が退場したのが朝の7時45分頃.
車は,霜で真っ白!!
帰りももちろん足助を避けて,11時頃帰着!
久しぶりの徹夜の祭りで,少々疲れました.でも,大満足!!!

ここ豊根村でも,お隣の東栄町でも,過疎化の波には逆らえないのか,一人で3つとか4つの舞を舞っている方も見えます.それほどまでにして,花祭りを存続させていこうという地元の方々の努力に頭が下がる思いがします.なんとか,このすばらしい花祭りを支えていっていただきたいと思います.


【地固めの舞-剱】=右手に鈴,左手に剱を持って二人で舞います.

【花の舞-扇】=学齢以前か,小学校低学年の子ども三人の舞です.鬼部屋からは肩に担がれて出入りします.背中に鶴の模様を染め抜いた上着にタッツケ袴に草履履き.花笠をかぶり右手に鈴,左手に扇を持って舞います.途中で扇を開いて舞い,再び閉じて舞が終わります.二組舞います.この日はその後,願の舞が行われました.

【花の舞-盆】=扇よりもう少し成長した子ども三人の舞です.服装などは扇と同じですが,採り物が扇から盆に変わります.
この日は,盆のあと願の舞が行われ,その後二組目の盆が舞われました.

【花の舞-湯桶】=さらにもう少し成長した子ども三人の舞です.服装などは同じですが,採り物が湯桶になります.この日は二組目の湯桶の舞の前に願の舞が行われました.

【願の舞】=願い主があるとき舞われます.白いゆわぎを着て,鈴と二本の五色の紙垂で飾られた弊を持って,四人で舞います.
【舞上げ】=中学生位の者が4人で舞います.yoshikの勝手な想像ですが,この舞の前の「花の舞」は小学生以下の子どもの舞です.年齢が中学生位になると,この「舞上げ」を舞って,これで子どもの舞はお終いですよ!ということのための舞ではないかと思いました

【一の舞】=3人が一人ずつ順に舞います.白いゆわぎを着け,榊を両手に持って腰を前に曲げたり,後ろに反らせたりして舞い,最後に見物人の頭を榊で打ってまわります.

【山見鬼】=伴鬼が3匹います.最初子どもの伴鬼が登場し,セイト衆と舞います.次に少し大きな伴鬼,さらに大きな伴鬼が登場し,「テーホヘテホヘ」の掛け声で,舞庭は興奮のるつぼと化します.
ひとしきり舞った後に,提灯2個の明かりに導かれ,大きな鉞を持った山見鬼の登場です.舞庭の魔障を取り除く鬼です.

【三ツ舞】=白いゆわぎを着て,右手に鈴,左手に扇を持って3人で舞います.三ツ舞は採り物を扇,ヤチ,剱と変えて三組舞います.これは最初の扇の舞です.

【榊鬼】=まず伴鬼が登場し,舞庭で舞います.そこへ榊鬼の登場です.榊鬼も大きな鉞を持って,二つの提灯に導かれての登場です.ひとしきり舞ったところで,禰宜に呼び止められ,榊を引き合い問答をします.問答に負けた鬼は,釜の周りで反閇を踏み,みょうどが差し出す松明を,鉞で叩きつぶします.

【ひのねぎ,みこ,おきな】=3人登場しますが,それぞれ味噌が付いたすりこぎ,しゃもじ,榊を持って舞います.このうち二人は見物人の顔に味噌を塗りつけてまわります.縁起がいいと皆さん味噌をつけて貰っています.yoshikもほっぺに味噌をつけて貰いました.

【四ツ舞】=四ツ舞は扇,ヤチ,剱と持ち物を買えて4人で舞います.この時の4ツ舞では,扇とヤチは舞手が変わりましたが,ヤチと剱は同じ舞手が途中で持ち物をヤチから剱に変えて舞いました.

【湯ばやし】=4人の舞手が両手に藁で作ったユタブサ(束子)を持って舞います.だんだんお囃子のテンポが速くなってくると,セイト衆の中には裸になる人も現れてクライマックス!!釜の中に束子をつっこんで,湯を周りに撒き散らします.この湯を被ると,1年間無病息災といわれ,見物人も喜んで湯をかけられていました

【朝鬼】=鉞を振り上げながら舞います.舞の最後で中央につるしてあったビャッカイを鉞でたたき落とします

【獅子】=花祭り最後の舞です.二人立ちの獅子で,釜の周りを回りながら舞います.途中で白いゆわぎを銜え,次に笹の葉のユタブサを銜え釜の湯につけ五方を浄めます.


坂宇場の八幡神社はこちら→Map
「山車とまつり」の坂宇場の花祭もご覧ください→「坂宇場花祭」