遠州大念仏
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寺嶋組の大念仏
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滝沢組の大念仏と放歌踊り
7月15日.浜松市中区鹿谷町の犀ヶ崖資料館で「遠州大念仏」が行われたので見に行きました.
犀ヶ崖資料館で行われる遠州大念仏は,一昨年にも出かけたのですが,会場に着いたら前日の台風接近で中止になってしまったとのこと.名古屋から見に来たんですよ!!と資料館の方にお話ししていたら「民間の葬儀会館が,おしょろ様の供養祭に遠州大念仏をやると云うことだったので,見に行かれたら?」と,教えていただいて見に行きました.
ただ,このときの会場は,立体駐車場の一部を大念仏の会場にしたため,天井は低く狭くて,ちょっと残念でした.
JR金山から在来線を乗り継いで浜松まで.そこから遠鉄バスで「浜松北高」下車.会場には,40分くらい前に到着.会場南側の入り口付近には天幕が張ってあり,中に焼香台と,各家庭でお盆供養で使ったものを納めてもらっていました.
始まるまでに少し時間があるので,コンビニで弁当でも買おうと思って探してみたのですが,それらしきものはないので,仕方なくこの日の夕食は抜き!!
夕闇が迫ってきた6時半頃からはまず盆踊り.みんなが丸くなって手拍子を合わせながら楽しそうに踊って見えました.途中から子供たちも入っておばあちゃんからお孫さんの年齢まで楽しく踊りの輪が続いていました.
7時少し前.大念仏保存会「寺島組」の方々が列を作って入場してきました.
寺嶋組は浜北第4支部に所属する保存会で,非常にゆっくりしたテンポで,曲が進められていくのが特徴と云われています.最後の方でオカメとヒョットコが登場し,滑稽な仕草で場を和ませていました.約30分の踊りの後,再び盆踊りが行われました.
その後,滝沢組の大念仏です.滝沢組は浜北第3支部に所属する保存会で,旧浜松市の最北部に位置する地区で,遠州大念仏は浜松市の無形民俗文化財に指定されていますが,滝沢組は静岡県の無形民俗文化財に指定されています.ここ滝沢組の特徴は大念仏の後半で放下踊りが行われることです.ヒョットコ面をかぶった男が「神」「佛」と書かれた大団扇を振り回しながら踊ります.
この大念仏踊りは,元亀元年(1573)に武田信玄と徳川家康との間で行われた戦で多くの戦死者が生まれ,それを慰霊するため行われるようになったと云われています.明治政府の廃仏毀釈政策で次第に衰え,大正期には途絶えてしまいました.
ところが,昭和に入り伝統芸能の衰退を危惧した地元の方々が「犀ヶ崖念仏の復活」「念仏組間の統一」を呼びかけ,約80年前に遠州大念仏が復活し,約70の保存会でこの伝統的な踊りを継承し,浜松市の民族無形文化財に指定されています.
滝沢組の大念仏が終わったのが8時45分頃.来たときと同じように,遠鉄バスで浜松へ.豊橋からは名鉄電車に乗り換え.10時50分発の金山発の最終バスにかろうじて間に合い11時少し過ぎ帰着.


「遠州大念仏」が行われる犀ヶ崖資料館はこちらMap
「山車とまつり」もご覧ください→「遠州大念仏