矢代田楽
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10月18日.京都市右京区の日吉神社で行われた「矢代田楽」を見に行きました.この田楽も,2〜3年前から気になっていた祭りです.土曜日は雨だったので心配をしたのですが,この日は上天気.第2名神経由で約160キロ.11時開始ということなので,日曜日の渋滞も考えて6時45分出発.伊勢湾岸東海ICから,名阪に入ると交通量が飛躍的に増えます.渋滞か!!と心配したもののそのまま流れて第2名神へ.以前部分的に走ったことはあるのですが,全線走破は初めて.新しい道路はやはり気分がいいです.京都東ICから国道1号.五条通を東へ.国道9号の五条天神川から国道162号へ.いわゆる周山街道を一路北上.出口橋を左折.府道443へ.日吉神社の下に到着.参道脇に狭い砂利道があり,そこから1台車が出てきました.ひょっとして車で上まで上がれるかもしれない.と思い入っていくと日吉神社の建物の前につきました.少し奥に駐車場があります.9時50分.ほぼ3時間.予想より早く到着できました.
拝殿周りには氏子の方々がたくさんみえるなぁ.と思っていると,10時頃から神事が始まりました.約30分で神事が終わり,宮司さんが「この後,下の小屋から道行きが始まります」と説明してくださいました.
11時少し前,小屋から田楽衆が神社へ上がってきます.神社の少し下で,禰宜さんが鼻高面をつけた榊を持って出迎えます.そこからは,禰宜さんの先導で田楽衆が舞殿に上がるとすぐに笛が奏され舞が始まります.
花笠をかぶり,4人が白の素襖で太鼓を,4人が黒の素襖でびんざさらを持って8人で舞います.この花笠は竹を編んだだけのもので,「松竹」と三巴紋が書かれた紙片を張ったもので,最年長者の花笠のみ7つの紙垂がつり下げられています.
舞は,始めに「輪舞の型」が舞われ,次に「寄り舞の型」が舞われます.それぞれの舞が終わると,最年長者の花笠につり下げられた紙垂が一つずつ切られ,神前に奉納されます.この二つの舞が,交互に七回舞われたあと,田楽衆は舞殿を降りて下っていきます.
舞は11時頃始められ,およそ20分くらいで終わってしまう短いものです.ちょっと物足りないような気がしますが,笛も,振りも単純で素朴な感じがします.農民の方々が氏神様に,舞を奉納して豊作の感謝の気持ちを伝えるための行事であるような気がします.
終わると,氏子の女性の方々が手作りした,きなこ餅がふるまわれました.yoshikもおいしくいただきました.
この矢代田楽は,室町時代の初期の,今から700年ほど前から行われていたもので,現在は矢代中・西・漆谷・浅江の四つの地区で作られた,日吉神社矢代田楽保存会の方々によって,その当時のままに保存伝承されています.府の無形民俗文化財に指定されています.

輪舞の型」−8人が輪になって,笛に合わせて太鼓を打ちびんざさらをを鳴らし,腰をかがめ足を高く上げ千鳥がけに舞殿を三回まわります.
寄り舞の型」−太鼓役とびんざさら役が向かい合い,腰をかがめ足を高く上げ千鳥がけにその場でまわります.

帰りは京都市中央図書館に寄って,矢代田楽の資料を司書の方に探していただいたのですが,詳しいものはあまりありませんでした.ちょっと残念.
行きと同じ道路で帰りましたが,やはり東名阪に入ってから渋滞.でも,30分遅れくらいで夕方には帰ることができました.

矢代田楽が行われる日吉神社はこちらMap
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