御神楽祭り
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熊野神社 天竜川 しめのはやし 清めのお湯
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宮清め 天狗祭り 式の舞 式の御神楽 てんでの舞
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惣氏子の舞 権現のお湯 ゆげどう 上げ湯 湯囃子の舞
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伊勢の花の舞
上衣の手 綾笠の手 剣の手 神酒注ずの手 膳の手
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伊勢の花の舞 御神楽 湯囃子の舞 御神楽
扇の手 開扇の手
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どんずく 鬼神 兄弟鬼 禰宜 はなうり
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しらみふくい 女郎面 ごじんご 神返し
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今年最初のお祭りは,一昨年道路工事で不通になっていて迂回し損なって,行くことができなかった旧富山村の熊野神社で行われる「御神楽祭り」を見に行きました.
3日と4日にほぼ同じ内容で行われますが,yoshikは3日の御神楽祭りを見に行きました.
祭りは午後1時から.富山まで約140キロ.ひょっとして道路に積雪があることを考えると,所要時間は4時間.と見ました.一昨年は足助,稲武,津具から豊根村を通ったのですが,何となくこのルートだと,また不通になっていて迂回させられそうなので,153号で稲武を通り過ぎて平谷から413号に入り,新野から県道1号に入るルートをナビに入れて,8時に出発.
足助の町が近くなる頃から,道路の両側に雪がちらほら見られます.稲武の町に入る頃には,かなりの積雪.道路は,交通量が多いこともあって積雪はありません.
平谷の信号で右折して国道418号に入ります.418号に入ったとたん道路も真っ白.前後に車がいないことを確かめ,時速40キロくらいから急ブレーキ.雪道での制動距離を見るため,yoshikが必ず行う儀式みたいなものです.平谷からは天竜川目指して,基本的には標高が低くなっていきます.売木村あたりになると,道路だけでなく周囲からも雪が消えています.道の駅「信州新野千石平」でトイレ休憩.さらに418号を下っていきます.天龍村に入って暫くいくと,天竜川の右岸を走る県道1号にぶつかります.途中昨年訪れた「坂部の冬祭り」が行われる諏訪神社への分かれ道に『坂部の冬祭り』の標識があります.
「JR大嵐駅」への道路標識を過ぎると,富山の町に入ります.急峻な山の斜面にへばりつくように,予想していたよりたくさんの家や大きな建物が見えてきます.標識に従って山の方へ右折します.狭い勾配が急な道路を上がっていくと,熊野神社の鳥居があります.ちょうど12時頃.予定通り約4時間で到着しました.
上まであがれるかも知れないと,そのまま進んでいくと,すぐに行き止まり.狭い道で苦労してUターン.鳥居の直ぐ横に『山村教育交流センター』の駐車場があったので,降りて駐車させてもらえるが尋ねたら,ここは祭り関係者の方が駐車するので,下の役場の駐車場に止めてくれ.とのこと.県道1号に出て少し戻ったところに豊根村役場の富山出張所があったのですが,道路と建物の間のスペースが狭くyoshikの小さな車も縦に置けない.仕方がないので,道路と平行において,途中で買ってきた助六寿司を食べる.

祭りは午後1時から.ということだったので,カメラバックと防寒具を持って再度熊野神社へ向かいます.急な坂道を約10分.車では何でもないが,歩くとさすが息が切れます.
神社に着くと,祭り関係の方々が舞処(まいど)に集まっています.大人の方々は紺色の着物に羽織り姿.ちょうど,今田花の舞の方々と同じような服装で興味深かったです.
13時10分くらい前になると,「御神楽祭り」が始まります.主な演目は
しめの囃子」−祭りに関係される方々が,舞処に集まり太鼓に合わせてウタグラが唄われます.約40分
その後20分以上休憩(と言っても何か意味があるのかも知れません)
清めの御湯」−舞処に設えられた竃の廻りで,湯タブサを持った音頭取りと数人の氏子がウタグラを唄いながら神々に湯を献じます.その間本殿では氏子たちが神様に献上する神饌を準備します.この神事が約1時間10分.その後約25分の休憩.
宮清め」−これは約10分.
天狗祭り・塞の神祭り・不動祭り」と進み,最初の舞である
式の舞」−天狗祭を行った4人の若者によって舞われます.始めにゆわぎを,次にそのゆわぎをはおり閉じた扇を,最後に開いた扇と鈴を持って舞います.この頃には,もう薄暗くなります.
てんでの舞」「惣氏子の舞」−氏子総出の舞で,舞処は氏子で一杯になります.続けて舞われ区別が付きかねました.
祭典」−神道の祭儀が宮司・氏子一同で行われます.修祓・祝詞・献饌・玉串奉奠など.
その後約1時間の休憩.その間に舞処横に,青年会(?)の人たちがお世話をしている売店があるので,うどんとおでんを食べて腹ごしらえ.でも,正直言って高くてまずい!!
20時頃から再び,湯立ての神事が始まります.
一連の湯立ての神事が終わると,
湯囃子の舞」−4人で右手に鈴左手にヤチを持って舞います.
伊勢の花の舞」−これは4人で次々に持ち物を替えて舞います.
1.ゆわぎの手−白い上衣を持って舞います.
2.綾笠の手−綾笠を持って舞います.
3.剣の手−綾笠をかぶり,剣を持って舞います.
4.御酒注ずの手−御酒注ずを持って舞います.
5.膳の手−お膳の上に,”おはたき”をのせて舞います.
6.扇の手−閉じた扇を持って舞います.
7.開き扇の手−扇を開いて舞います.
この舞は動きも激しく,持ち物を替える時に短時間休むだけで,約1時間10分も舞い続ける非常に体力が必要な舞です.「坂部の冬祭り」の『花の舞』も同じように持ち物を次々8回替えて舞い続けます.
その後舞が舞われ約1時間の休憩に入ります.この頃から見物の人がだんだん増えてきます.
23時50分頃から面立ちの舞が始まります.まず最初は
どんづく」−二人立ちの獅子舞です.舞処を祓い清めるためのもので,子どもたちも手に手にミカンを差し出して食べさせます.獅子は時々見物人の頭を噛んだりしながら,五方に舞い釜の周りを回って退場します.
鬼神」−鬼神面をつけ手にはゆわぎ巻き付けた1メートルほどの棒を持って現れます.やはり五方に舞い釜の周りを回って退場します.
鬼神の舞が始まる頃ちょうど日付が変わります.
兄弟鬼」−最初に真っ赤な衣装を身につけ,鉞を持った兄鬼が登場します.一舞すると,弟鬼が登場します.この鬼の舞で気がついたのですが,左右の足を後ろへ跳ね上げながら舞います.ちょうど花祭の鬼と同じような所作をします.
禰宜」−禰宜面をつけ,大きな御幣を担ぎ登場し,見物人にも御幣をふって祓ってくれます.
はなうり」−はなうり面をつけ,鈴と扇と榊の枝を持って登場します.”ぶるるるううう〜ぶるるるうう〜”と鶏の鳴き声のような鳴き声をたてながら,舞処を跳ね回ります.”はな”はどうも”鼻”を表しているようです.
しらみふくい」−上半身はだかの上に,上衣を引っかけただけの姿で登場し,囃子に乗って手を打っては頭の後ろに回す仕草をしたり,さもかゆそうに体のあちこちを掻いたり,上衣を振り回したりします.囲炉裏の前に座って火にあたっていると,女郎がしずしずと現れます.
女郎面」−おこそ頭巾をかぶり振り袖姿の女郎が,扇,鈴,榊を持って現れると,しらみふくいは女郎の周りを回ったり,袖を引いたり,ちょっかいをかけます.最後は提灯で足下を照らしながら一緒に退場します.
ここで,すべての舞が終わります.
ごじんご」−舞処の隅で,おひつに入れたおこわのようなご飯を半紙に包んで見物人にふるまいます.yoshikもいただきましたが,どうも小豆やあわ,ひえ等の雑穀が混ぜてあるようでした.
神返し」−神殿太鼓に合わせて神返しのウタグラを唱えます.
神返しの神事が終わると,祭りのすべてが終了です.時計を見ると,25時頃.舞処では祭りの後片付けが始まります.

yoshikも懐中電灯をだし,暗い階段を役場まで向かいます.荷物をトランクに放り込んで25時15分頃車を出し,来たときと同じ道を帰ることにします.
県道を走っていると,車の前を猿が走り抜けました.418号に入ると,真っ暗のなか山道を走っていると,ちょっと怖いですね.突然車の前を子牛位の動物が駆け抜けていきました.良くは見分けられなかったのですが,鹿のようです.その後,2回も鹿を見ました.北海道で野生のエゾシカを見たことはありますが,こんな所に鹿がいるなんて驚きです.
売木村あたりから道路に雪が残っています.凍り付いていることが予想されるので,かなりスピードダウン.153号に入ると,路面に雪はないものの部分的に凍り付いているかも知れないので,雪道程度のスピードで走る.大型トラックに2台ほど追い越されました.
2時間ちょっとで足助の町へ.コンビニでトイレと温かい缶コーヒーで小休止.
朝の5時過ぎ自宅近くなったので,モーニングでもと思いファミレスへ.コーヒーとトーストを頼もうと思ったのにメニューにない.店員さんにきくと,5時半からモーニングメニューなので,トーストなどはそれまではできないとのこと.仕方なくハンバーガーとコーヒーで,家に着いたのが6時半.お疲れ様.

この「御神楽祭り」は,愛知,岐阜,長野が交錯する天竜川水系に見られる霜月神楽の一つで,霜月(11月)に神を呼び寄せ,湯を献じ舞を舞ってもてなし,身体の再生と新たな魂の授与を願うためのものと考えられています.翌4日にも行われますが,3日に行われて4日に行われないもの,その逆のものもありますが,殆ど同じ内容を2日間繰り返すのは非常に珍しいと言われています.

今回は,フラッシュも持って行ったのですが,祭りをしている方からすれば,やはりフラッシュの光は鬱陶しいだろうと思い,最後の「ごじんご」以外は,ISOを上げ,30mm F1.4のレンズのみで撮影しました.少し光量が不足してピントがうまく合わなかったり,薄暗いものがあったりしますが,ご容赦ください.

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