愛知県 小牧市  宿葉祭
 2003年8月22日(土)と23日(日)愛知県小牧市小牧の神明社『秋葉祭』に出かけました.名鉄小牧線「小牧」駅下車.西方向に徒歩約10分で神明社につきます.「秋葉祭」はこの神明社境内に祀ってある「秋葉社」の秋の祭礼です.
 8月22日(土)は宵まつりで,夕方6時頃から各地区の山車が町内を曳き回された後,7時半頃「小牧」駅西約300mにあるイトーヨーカドー前に勢揃いします.1時間くらい休憩したあと,交差点で1輌ずつどんでんを披露し観客から盛大な拍手を受けていました.その後各山車は町内に戻っていきます.
 翌23日(日)は朝10時頃より各町内を曳き回した後,神明社の約300m東に集まり順に神明社に向かいます.秋葉社前に勢揃いした山車は,2時頃から『唐子車』『聖王車』『湯取車』『西王母車』の順でからくりが3回奉納されます.どんでんの後神社境内にある山車倉に収められます.
 ここで曳き出される4輌の山車は江戸時代中期,小牧中町の成田屋又七が火難よけに神社に山車を奉納したのが始まりといわれています.昭和57年小牧市の有形民族文化財に指定されました.いずれも同じ形式で,幅2.12m;長さ2.72m;高さ4.54mの「名古屋型」の山車です.ただし,唐子車;西王母車には大将人形がありません.


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No01,02:22日(土)宵まつり.「イトーヨーカドー」前に勢揃いした4輌の山車.提灯は上屋根の下に組んだ木枠につり下げられています
No03:23日(日)本祭り.各町内を曳き回された山車はお昼頃集結して「神明社」に向かいます.
No04〜06:「秋葉社」前に整列した山車.手前から『西王母車』『湯取車』『聖王車』『唐子車』
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『唐子車
中町の『唐子車』の人形はいずれも文政年間(1718〜1829)三代目玉屋庄兵衛作.大将の前で大唐子が太鼓を打ち,小唐子が梅の木の上で逆立ちをして太鼓を打ち鳴らす離れからくりです.
No07,08:宵まつりの「唐子車」.この山車だけが『秋葉宮』の提灯を飾り付けています.
No09:本祭りの「唐子車」.
No10:電線,電話線,街路灯をくぐり抜けながら進んでいきます.
No11,12:進行方向を少し変えるときはそのままずらしますが,大きく変えるときは前輪を上げます.
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No13:小牧の古い町並みが残っている地域にはまだ「屋根神さま」が残っています.
No15:「唐子車」の内部.ここにお囃子の人が座ります.天井の上には人形を操る人が乗り込みます.
No16:梅の木で逆立ちをする小唐子
No17:采振り人形
No18:両手にバチを持つ大唐子
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『聖王車』
横町の『聖王車』の聖王人形は文政7年(1824)隅田仁兵衛;采振りと唐子は安政2年(1855)五代目玉屋庄兵衛の作.聖王人形の前で,団扇太鼓とばちを持った大唐子の肩にばちを持った小唐子が逆立ちをして大唐子の団扇太鼓を叩くという離れからくりです.
No19,20:宵まつりの「聖王車」.提灯には「聖王車」の文字が記されています.
No23〜26:右手にバチ,左手に団扇太鼓を持つ大唐子の右肩に掴まって逆立ちをする小唐子.
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.No27:右手にバチを持つ小唐子
No28:大将座の聖王
No29:ひょうきんな表情の采振り人形
No30:山車の下層内部.天井付近に「セリアゲ車」が付いています.縄を引くと上層部の屋根がせり上がります.
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『湯取車』
上之町の『湯取車』の人形はすべて明治35年.六代目玉屋庄兵衛の作.大将座には神官.その前で巫女人形が湯取り神事を行います.采振り人形は向かって左が「笛吹き」右が「鼓打ち」です.
No31〜34:宵まつりの「湯取車」
No35:上層前部には湯取り神事を行う大釜が置かれています.
No36:輪掛けで覆われた外輪式の車輪
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.No37,38:鼓打ち采振り人形
No39:笛吹き采振り人形
No40〜42:大将人形の前で湯取り神事を行う巫女.紙吹雪が舞います.
No37 (186kb) No38 (143kb) No39 (192kb) No40 (233kb) No41 (204kb) No42 (142kb)
『西王母車』
下之町の『西王母車』の采振り人形は昭和33年奥村秀次郎が作り直したもので,他の唐子人形は明治4年竹田新助作のものです.大唐子人形は桃の枝を振りながら踊っていると,桃が割れて中から小唐子が飛び出します.小唐子はチャッパを鳴らしながら大唐子とともに踊り,やがて桃の中に姿を隠します.
No43〜45:宵まつりの西王母車.
No47:ここにも屋根神様が残っています.小牧市指定有形民俗文化財に指定されている「岸田家」の建物です.
No48:前輪を上げて方向転換するとき,後輪が下がらないよう車止めを差し込みます.山車の回転に伴って車止めも動かさなければならないので,非常に危険な作業です.
No43 (196kb) No44 (127kb) No45 (227kb) No46 (195kb) No47 (184kb) No48 (197kb)
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.No49:采振り人形
No50:右手に桃の小枝を持って踊る大唐子.
No51,52:桃から飛び出した小唐子.割れた桃の上で両手に持ったチャッパを鳴らしながら踊ります.
No53:桃の中に戻る小唐子.左下は采振り人形.
No49 (189b) No50 (137kb) No51 (179kb) No52 (204kb) No53 (218kb) No54 (212kb)
参考資料:「尾張のまつり」 ザ・尾張シリーズ第2集 愛知県社会科研究会尾張部会
       「小牧市文化財図録」 小牧市教育委員会         .