京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町・清涼寺 嵯峨大念仏狂言
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2010年4月3日(日).京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町の清涼寺で,嵯峨大念仏狂言が行われました.清涼寺の大念仏狂言は壬生寺,えんま堂で奉納されている京都の三大大念仏狂言の一つです.
この嵯峨大念仏狂言は,良忍上人が始めた融通念仏が元になっていて,釈迦堂の大念仏は弘安2年(1279)頃に始められたといわれています.これに狂言が伴った時期は,はっきりとはしませんが,天文18年(1549)の裏書きがある面が保管されていることから,少なくともこの頃には大念仏に狂言が伴っていたと考えられています.
内容は,仏教の教えを身振り手振りで一般庶民に伝えようとするものです.嵯峨大念仏狂言は鉦1,締太鼓1,笛1を伴いますが台詞は一切なく,面を付けて行われます.
現在20の演目が伝えられていますが,大きく分けて狂言系の曲である「ヤワラカモン」と能楽系の曲である「カタモン」があり,ヤワラカモンとカタモンが交互に演じられます.
保存会を中心に3月の「清涼寺お松明式」,4月の「春期公演」,10月の「秋期公演」,11月の「嵐山紅葉祭り」などの公演が行われ,国の選択民俗文化財,京都市の無形民俗文化財に登録されています.

「お祭り見てある記」もご覧ください→「嵯峨大念仏狂言
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参考資料 「嵯峨狂言」  嵯峨大念仏狂言保存会発行