岐阜県本巣市根尾能郷・白山神社  能郷の能狂言
2011年4月13日(水)に岐阜県本巣市根尾能郷の白山神社で「能郷の能狂言」が行われました.毎年白山神社の祭礼で村内安全・家内安全・五穀豊穣などを祈って奉納されます.
この能・狂言がいつ頃から奉納されたかについては,宝物殿の火災により古文書が焼失してしまったことと,この地の猿楽衆の口伝のみによって伝えられてきたため,詳しいことはわかりませんが,白山神社神主が記したとされる『間狂言間語』に,慶長三年(1598)の奥書があることから,この頃には能狂言が奉納されていたと考えられています.
また,越前猿楽の流れをくむもの.とか,大和猿楽の影響を受けたもの.とか云われています.
猿楽衆の家は16戸ありますが,これらの家はそれぞれ,能方,狂言方,囃子方と定まっていて,世襲で伝えられています.
能郷の能の台本は現在世阿弥大成後のものを用いていますが,謡はすべて地謡方が受け持ち,シテ・ワキは装束を着けて,舞台で身振りを行うのみです.また,舞の様式も古風なものであり,能の源流がそのまま残されているものと考えられています.
江戸文化文政の頃は盛んに行われていましたが,その後徐々に衰え,特に戦後は殆ど顧みられなくなりましたが,昭和33年岐阜県の重要無形文化財に指定.さらに昭和51年に国の重要無形文化財に指定され,現在では保存会が中心となって継承しています.

伝えられている演目は
能: 露払い.翁.三番叟.高砂.難波.田村.八島.羅生門
狂言:百姓狂言.恵比寿毘沙門.塩売山伏.二人大名.謎狂言.烏帽子折.粟田口.鐘引.
鎮西八郎為朝

「お祭り見てある記」はこちら→「能郷の能狂言
能郷の能狂言 その1 能郷の能狂言 その2
能:式三番
狂言:百姓狂言「松いずり葉」
能:難波
狂言:恵比寿毘沙門
能:屋島
狂言:太刀ばい
能:羅生門
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参考資料: 当日配布されたパンフレット
美濃能郷の能・狂言
根尾村史 民俗・資料編
本巣郡根尾村能郷の狂言