三重県多気郡明和町有爾中・宇爾桜神社 有爾中かんこ踊り
2012年7月15日(日).三重県多気郡明和町有爾中(うになか)の宇爾桜神社でかんこ踊りが行われました.この踊りは,「五穀豊穣」「疫病追放」「家内安全」などを願って行われる,宇爾桜神社の天王まつりで奉納される踊りです.
役割は音頭取り,貝吹き,助っ人,踊り手,綾子,棒振りなどで,音頭取り,貝吹き,助っ人は白木綿の上衣に袴を着て,草履を履きます.踊り手は棒縞の浴衣を着て,白木綿の晒しを腹に巻いて後ろに垂らし,腰蓑を着け手甲と草履を着け,腹には締め太鼓を結え付けます.子どもの踊り手は花笠を被りますが,大人の踊り手は「シャグマ」と呼ばれる,馬の尾で作った白毛のかぶり物を使用します.
当日は,さくら会館に集まり,準備が終わると,宇爾桜神社まで行列を作って練り歩きます.行列は貝吹き,サシハ持ち,ヤナギ持ち,綾子,子どもの踊り手,大人の踊り手,音頭取りの順で進んでいきます.
神社に到着すると,神事が行われ,かんこ踊りが奉納されます.

踊りは,

入り込み
流願(立願)
世の中
世の中打ち抜き
休憩(ヤナギ)
キョガクマ
頭打ち舞い込み
三つ願
回りズーデン
綾踊り
流願(立願)

の順で踊られます.
このかんこ踊りは,宝暦年間(1751年〜1763年)から行われていたようで,明治41年の神社合祀以降中止されていましたが,昭和6年に復活.その後中止,復活を繰り返しましたが,昭和57年に神社が再建されて以降,毎年行われるようになり,現在は有爾中天王踊り保存会が中心となって奉納・保存活動が行われています.
明和町無形文化財に指定されています.

「おまつり見てある記」もご覧ください→有爾中かんこ踊り
有爾中かんこ踊り その1 有爾中かんこ踊り その2
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シャグマを使った,有爾中以外のかんこ踊りは右の画像をクリックしてください.
参考資料: 明和町史 民俗文化財