小川若宮神社例祭
駒ヶ岳 町内での神楽 若宮神社での神楽
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梅川と忠兵衛 五斗大酒
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葛の葉
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4月27日.上松町の小川若宮神社の例祭で,獅子舞があるというので見に行きました.この祭りも,ネット上をいろいろ探したのですが,開始時刻がわかりません.
わからない時は地元に聞く!のが一番早いので,今回は観光協会さんに電話で問い合わせをしました.開始時刻や駐車場のことも親切に教えていただけました.午後から.ということだったので,金山発8時51分のJRを使いました.中津川乗り換えで11地2分上松着.2時間少々です.
駅前の食料品店で,おにぎりとペットボトルのお茶を買って,取りあえず,若宮神社の様子を見ようと出発.
観光協会さんの話では,上松駅から徒歩では30分くらいとのこと.木曽川に架かる赤い橋を渡ると,すぐ獅子舞を演じるための神楽屋台が見つかりました.そのまま通り過ぎると,右手に小さな標識があります.どこかの家の庭先に入っていくのではないか!と思われる細い道を右折.少し登っていくと,雪を被った駒ヶ岳と宝剣岳がすばらしい!およそ25分くらいで若宮神社に到着.
神社の関係の方が見えたので,獅子舞のことを伺ったら,「地区の家を一軒一軒廻り,橋のこちら側と向こう側で舞を奉納して,2時頃神社へ上がってくる.」ということだったので,地区を廻っているところを見ようと,いったん下まで降りることにしました.
神楽屋台が1台と,獅子が2頭.それぞれの獅子に笛が2〜3人.太鼓が1人の割でついて地区の家をまわります.家の前でお囃子に合わせて獅子が舞いはじめ,さらに家の中に入って獅子舞を奉納します.獅子は頭をつける人と胴幕を持つ人の二人で舞います.最初は両手を中に入れ,胴幕を中からつかんで舞い,途中から両手を出し,右手に鈴.左手に御幣を持って舞います.
お昼過ぎたので,木曽川を眺めながら駅前で買ったおにぎりを頬張りました.木曽川を渡ってくる風が何ともさわやかです.
昼食後,再び若宮神社への坂道を上りました.2時少し前になると,太鼓の音がだんだん近づいてきます.神楽屋台を御輿のように担いで上がってきます.
境内の社務所の前にはゴザが敷かれていました.その上で獅子の演技が行われます.
最初は獅子神楽です.詳しくはわかりませんが,地区で舞われていた獅子舞と同じに見えました.
次からは獅子狂言です.だいたい獅子狂言という言葉すら知らなかったyoshikは期待に胸ふくらませて待ちます.
3演目を演じてくれましたが,いずれも獅子が女性の着物を着て女役を演じ,素面の方が男役です.男役の方は自分で,女役の方は他の人がせりふを受け持って物語が進んでいきます.
獅子狂言の最初は「梅川と忠兵衛」−近松の心中ものからの話で,遊女梅川と飛脚忠兵衛とが恋に落ち,二人で駆け落ちをする物語です.
二つ目は「五斗大酒」−どうも,大酒飲みの夫に愛想をつかす妻の物語のようです.
最後は有名な「葛の葉」−助けられたキツネが恩返しに男のもとを訪れ,ともに暮らすうち子をもうけたが,正体を見られ,泣く泣く夫と子を残して森に帰っていくという物語です.この狂言の見所は,最後に獅子が筆をくわえて「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」という和歌を書き記すところです.この記された和歌は,裏返しに書かれたり,下から書かれたりしていて,非常に技術を要するとのことです.
今回も,始めて獅子狂言なるものを見せてもらい,地元の保存会の方々の熱演に大満足でした.伝統的な芸能が,人手が足らないということで少しずつ消えていく中,こんなすばらしい木曽の獅子狂言を絶やさないで,守っていっていただけることを願いながら若宮神社を後にしました.
演じられた獅子狂言の芸題は,後日信濃毎日新聞社に問い合わせて,教えていただきました.
すべて終わったのが15時半頃.上松15時56分発.金山18時13分着で,予定していた時間より1時間以上も早く帰り着けました.
「小川若宮神社例祭」が行われる小川若宮神社Map (地図には小川若宮神社の表示がありませんので,およその位置です)
「山車とまつり」の「小川若宮神社例祭」では,たくさんの画像が見られます「小川若宮神社例祭」