駒ヶ岳神社例祭・太々神楽
湯立神楽 岩戸開舞 御神入舞 病気平癒幸神舞 神代御弓舞
.
陰陽津賀井舞 豊年神子舞 六神行事 岩戸別神鈿舞 四神五返拝
.
通常津賀井舞 大宝舞 止雨武多井舞 三剱舞
.
主な演目
病気平癒幸神舞(びょうきへいゆこうじんのまい)」−この舞は,病気が治るように祈願することと,治ったのを感謝する舞です
神代御弓舞(かみよおんゆみのまい)」−弓矢を持って悪魔を退散させ,天地を浄める舞です
陰陽津賀井舞(いんようつがいのまい)」−鈴と扇を持って4人で舞います.夫婦円満,子孫繁栄の舞と云われています
六神行事(ろくじんぎょうじ)」−鈴と笹束を持って6人で舞います
岩戸別神鈿舞(いわとわけのかみうずめのまい)」−翁面をつけた天岩戸別神と鈿面をつけた天鈿神二人の舞です
四神五返拝(ししごへんぱい)」−白い鼻高面を付けた4人の舞です.最初は鉾を持って舞い,次に短剣を抜いて舞います.拍子に合わせて足拍子を踏み,高く飛び上がって舞う勇壮な舞で,見ている方も緊張します
大宝舞(たいほうのまい)」−鼻高面を付けた大宝と弓矢を持った曽儀が問答を繰り返しながら舞います
三剣舞(さんけんのまい)」−最初鈴と笹束を持って舞い,途中から抜き身の剣を持って3人で舞います.手に汗握る勇壮な舞です
5月3日.長野県上松の駒ヶ岳神社例祭での太々神楽を見に行きました.この太々神楽も開始時間や場所がよくわからなかったので,先回の小川若宮神社の獅子狂言の時,ついでに上松町の観光協会さんに問い合わせていました.若宮神社の獅子狂言を見た後,上松町観光協会のホームページに,観光パンフレットの申し込みページがあり,その中に「太々神楽」のパンフレットもあったので,まつりまでにうまく間に合えば.と思って申し込んだら,運良く開催される前日,パンフレット類が手元に届きました.封筒の中にはパンフレットとともに,観光地図が入っていて,そこにわざわざ”駒ヶ岳神社へ行くにはこの辺りに車を止めるといい”と手書きで書き込みがして下さってありました.今回の祭りを見に行くにあたっては,ずいぶん上松町の観光協会さんのお世話になりました.この場をお借りして”ありがとうございました!!”
今回は始まりが朝の9時頃!ということでしたので車で6時出発.中央道は途中3〜4カ所渋滞でやきもきしたのですが,8時半過ぎに上松町に入り,地図を頼りに山の方へ登ってゆき,駐車スペースを見つけることができました.駒ヶ岳神社には9時過ぎに到着しました.
もう神事が始まっていて,ドンドンドンドン.という太鼓の音に合わせてチャンチャンチャンチャンというチャッパの音.それに乗って,殆ど旋律がなくてロングトーンの様な2本の笛の音.微妙に音程がずれ,まさに深山で聞くような神秘的な音でした.
9時半頃から,拝殿の奥の本殿の前で「湯立神楽」が始まりました.宮司さんが拝殿まで出て見えて,我々もお祓いをしてくれました.
舞は,拝殿に設けられた,高さ6〜70センチ位の舞台で行われます.舞台の正面の一番前がまだ空いていたので,そこに入れさせていただいて,見ることができました.その関係で画像がアップ気味になってしまいました.
舞は全部で十三座ありますが,順番はその時々に変わるようです.
第一座の「岩戸開舞」が始まると,御神酒が振る舞われ,見物人も緊張が解け飲み食いが始まります.お昼近くなると重箱を持った方がみえ,料理を食べながら,お酒やジュースを酌み交わしながら親戚,ご近所,知り合い同士和気藹々状態でした.「駿河神楽」の時もそうでしたが,お祭りとしてしっかりと地の方々の間に根付いている感じでした.
第二座は「御神入舞」,第三座「病気平癒幸神舞」と続き第七座「六神行事」の後約1時間のお昼休み.
ホッとして,yoshikも上松駅前で買ってきたおにぎりでお昼にしました.食べ終わって境内を散歩.青いビニールを敷いて20人くらいの人が宴会.同級生か同期生のようです.1年に一度,こうしてみんなで会える祭りが,今でも残っていることは,本当に幸せなことですね.うらやましい限りです.
おにぎり2個の昼食ではちょっと不足気味のyoshikは,地元の方のバザーで五平餅を1串買って食べました.味噌がちょっと変わった味です.でも,おいしかったです.
午後の部の最初は,面を付けた「岩戸別神鈿舞」です.翁と鈿の面を付けた舞人二人の舞です.
次の舞はいよいよ「四神五返拝」.この舞だけは見ようと昼から来た人や,外にいた人も拝殿に入ってきて満員になります.拝殿の中は異常な緊張に包まれます.白い鼻高面を付け,鉾を持って4人で舞います.途中から短剣を抜き足拍子を踏んだり,飛び上がったり勇壮な舞です.
最後は「三剣舞」.三人で最初は笹束と鈴を持って舞います.次に,抜き身の刀を持って舞います.これも手に汗握る勇壮な舞です.
すべて終わったのが15時15分頃.途中1時間の休憩をはさんで5時間あまり.昨年の冬,安倍川や大井川上流で見たいわゆる「駿河神楽」とは全く違う神楽です.
駒ヶ岳神社は天文三年(1534)に創建されたと云われています.この太々神楽がいつ頃から奉納されていたかはわかりませんが,氏子中の決められた農家の長男のみに受け継がれる一子相伝の神楽です.
問答で舞うものと奏楽で舞うものがあり,県の無形文化財に,また国の選択無形民俗文化財に指定されています.
帰りは,多治見まで19号を走って20時頃帰着.伝統的なまつりが身近にある地域の方々は,守り育てていくのはとても大変だとは思いますが,やっぱりうらやましい!と思います.これからも,このすばらしい神楽をゼヒ残していって欲しいと思いました.

「駒ヶ岳神社例祭・太々神楽」が行われる駒ヶ岳神社里宮Map
「山車とまつり」の「駒ヶ岳神社例祭・太々神楽」では,たくさんの画像と演目の解説が見られます「駒ヶ岳神社例祭・太々神楽」