参候祭 次第
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不動の舞 不動の面をつけ,剣と縄を持って舞庭に登場します.竈を3回巡ると,神座の前で禰宜に呼び止められ問答が始まります.
問答の後,五方に舞うと,鈴を渡されそれを持ってまた舞います.舞いが終わると,竃の前に進み,笹の束を釜の中に入れ湯を周りにまき散らして退場します.

問答の初めは
禰宜:かかる尊き神座へ,ことすざましきなりをして,御出でたる者は何者にて候
不動:参候,某は滝に住む,大聖不動明王とは我事なり
禰宜:不動様には何として,お出なされ候
不動:一粒を千粒と思う滝の水,みだりに汲取るいわれいかに
恵比寿の舞 つり竿,鯛を持ち,恵比寿面を着けて舞い庭に登場します.不動とおなじように,神座で禰宜と問答をします.
問答の後,やはり湯立てをします.恵比寿が休んでいる間に,次の毘沙門が登場します.

問答の初めは
禰宜:かかる尊き神座へ,見慣れぬ風俗にて御出でたるは何者にて候
恵比寿:参候,某は天照大神宮の三男,西の宮恵比寿三郎にて候
禰宜:恵比寿様にはこれへ如何致しに御出候
恵比寿:されば当所に神楽すると聞き,惣氏子に福を授けんと思い参って候
毘沙門の舞 鉾を持ち,甲冑に身を固め,毘沙門の面を着けて,登場します.禰宜と問答をしている途中で,休んでいた恵比寿が毘沙門の頭を釣り竿でたたきます.
驚いた毘沙門が恵比寿に向かって,早く退場するように催促します.恵比寿が退場すると,毘沙門は五方に舞って湯を献じて退場します.
問答の初めは
禰宜:かかる尊き神座へ,見慣れぬ風俗をしておいでなされたるは,何者にて候
毘沙門:参候.某は鞍馬の山の毘沙門にて候
禰宜:毘沙門様はこれへ如何致しに御出候
毘沙門:されば当所に神楽あると聞き,氏子に福を授けんと参って候
大黒天の舞 俵を背負い,右手に打ち出の小槌.腰に男根・舛を下げ大黒面を着けて登場します.禰宜との問答の最後に,水引をかけてあった「ぬめくら棒(木で作った男根)」を振り振り,見物人にそれを見せながら舞庭を駆け回ります.その後,槌と鈴を持って五方に舞い,湯を献じて退場します.

問答の初めは
禰宜:かかる尊き神座へ,見慣れぬ風俗をしておいでなされるは,何者にて候
大黒天:参候.某は七福神の内,ダダラ大黒天にて候
禰宜:大黒にはここへ何として御出なされ候
大黒天:当所に神楽あると聞き,身がゾングリゾングリとして来て候
弁財天の舞 天冠をつけ弁財天の面をつけて登場します.
問答が終わると,五方に舞い湯を献じて退場します.

問答の初めは
禰宜:かかる尊き神座へ,女性の身として出られし者は,何者にて候
弁財天:参候.某は七福神の内,弁財天にて候
禰宜:弁天様には,何としておいでなされ候
弁財天:氏子繁栄と五穀成就のため,清らかな湯を献上致さんとして来候
. 太平楽 烏帽子役三人が,竈の前に開いた扇子を下に置き,その上に鈴を置き,唱えごとをした後立ち上がって扇の舞いを舞います.次に剱を持って同じ所作をします.
当日は,太平楽は行われませんでした.
禰宜が「よい駒よい駒」といいながら,駒をひいて登場し,ともに拝をします.このとき禰宜は駒に次のように尋ねます
禰宜:竜頭の山のグゾバをたべるか.――駒は首を横に振る
禰宜:笹の頭の山の笹をたべるか.――駒は首を横に振る
禰宜:観音様のペラペラ餅を食べるか.――駒は喜んで首を縦に振る
禰宜:食べる食べると申します.よい駒よい駒.
布袋・寿老人・福禄寿 まず軍配と袋を振り回しながら布袋が登場します.禰宜との問答の後,榊の木を持った寿老人が登場します.次にひょうたんをくくりつけた杖を肩に担いだ福禄寿が登場します.寿老人が持ってきたひょうたんの酒を,神々に献じ,大盃の酒を禰宜に振る舞った後,たき火の前で酒盛りを始めます.その後,それぞれ湯を献じて退場します.

問答は,
禰宜:かかる尊き神座に,いとすざまじきなりをして,御出たるは何者にて候
布袋:参候.某は七福神のうち布袋にて候
禰宜:布袋様には何とて御出なされ候
布袋:参候.当所氏子に子孫繁栄のため子福を授けんとして来て候

禰宜:かかる尊き神座に,ことすざまじきなりをして,御出たるは何者にて候
寿老人:参候.某は七福神のうち寿老人にて候
禰宜:寿老人様には何んとして御出なされ候
寿老人:先だって七福神皆これへ御出なされ候によって,惣氏子無難長久のため諸社の盃を致さんとて来て候

禰宜:かかる尊き神座に,ことすざまじきなりをして,御出たるは何者にて候
福禄寿:参候.七福神のうち福禄寿にて候
禰宜:福禄寿様には何とて御出なされ候
福禄寿:参候.惣氏子息災延命・五穀成就・万民繁昌のために,福徳長久の神酒を持参仕て候
殿面 扇を持った殿面が登場します.釜の周りを三度回り,五方に米を撒きます.これを「米打」といいます.
さいはらい面と獅子 殿面が退場すると,開いた扇と榊の小枝を重ね合わせて,さいはらいが獅子を誘導するように,後ろ向きに登場します.釜の周りを回り湯を献じて退場します.
. 神上次第 最後の神上ですが,当日は行われませんでした.
※問答は「北設楽郡史」から引用させていただきました.
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