名古屋市中村区岩塚町字上小路7・七所社  きねこさ祭
2013年2月26日(火)。名古屋市中村区岩塚字上小路7の七所社できねこさ祭が行われました。
岩塚の七所社の御鏡には「元慶八年(884)正月十五日見田天神」とあることから、この頃にはすでに鎮座されていたと考えられています。
きねこさ祭は、庄内川に立てた竹に笛役が登り、その折れた方向でその年の吉凶を占う行事と、その後の境内で行われる行事から成っていますが、境内で行われる行事は豊作を祈願する田遊びや田楽の面影を残しています。
また、祭の名称である「きねこさ」とは、祭に使用する祭具の中に「きね(餅をつく立杵のこと)」と「こさ(きねからこそげおとした餅のこと)」が使われているから。といわれています。

祭は
1.川祭−12名の役者が竹を持って、神社から南の佐屋街道へ出て、堤防を越え河原におります。川岸で下帯姿になり、川の中央まで進み竹を立てます。笛役が天王さんの御札を投げたあと、竹を登り始めます。竹が南東の方向に折れると、その年は豊作といわれます。竹占いが終わると、12名の役者は、再び神社まで戻ります。
2.古式行列−高張り提灯を先頭に、神職、役者、厄年等が行列を作って佐屋街道から神社まで練り込みます。
3.神事−行列が神社に到着すると、拝殿内で神事が行われます。神事の途中で稚児役が頭から赤い衣装を被り、右手に鈴、左手に扇を持って簡単な舞を奉納します。
4.総まわり−笛役が先頭で「種下ろし祭文」を掲げ、読みながら以下神職、役者が列を作って境内の結界の中を廻ります。
いったん結界から出た役者は、次にはそれぞれの祭具を持って結界内を列を作って廻ります。
5.厄除け−それぞれの役者が、結界内に敷かれた薦の上で拝殿に向かって所作を行う間、祭具を持った他の役者は周りの観客のお尻や背中、頭などを祭具で触れたり叩いたりして厄落としをします。
射手の役が矢を放つと行事が終わります。

「種下ろし祭文」と各役者の所作の概要は → こちら
「おまつり見てある記」はこちら→きねこさ祭
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七所社。拝殿には役者の持つ祭具が並べてあります。川祭が終わると、境内入り口に竹が折れた方向を掲示します。
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川祭り
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古式行列
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総まわり
No19 No20 No21 No22 No23 No24
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厄除け行事
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No25 No26 No27 No28 .
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獅子
No29 No30 No31 No32 No33 No34
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犬と鷹
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No35 No36 No37 No38 No39
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杵とコサ
No40 No41 No42 No43 No44 No45
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イミホコ
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No46 No47 No48 No49 No50
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田行事
No51 No52 No53 No54 No55 No56
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傘鉾
No57 No58 No59 No60 No61 No62
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射手
No63 No64 No65 No66 No67 No68
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参考資料:   新修名古屋市史 第九巻 民俗編
中村区歴史余話